1.項目対の作成
気体/液体分子運動パターンの対比(分子間力のあるなしなど)に関係ありそうな、従来国民性を表すとして日本と欧米との対比であげられていた人間の行動パターン(あるいは態度)をできるだけ多くピックアップし、「ドライである-ウェットである」といった、項目対の形にまとめた。まとめた項目対の一覧については、アンケート集計結果を参照されたい。
2.アンケートの実施
作成した項目対について、1997年4月~5月にかけて、インターネットのWWWホームページ上で「対になった2つの態度のうち、どちらの態度がよりドライと感じられますか」という聞き方でアンケートを行った。アンケート募集は、netnews上の若干のニュースグループに募集記事をポストし、その記事から予め用意した回答専用のWWWホームページにリンクを張って一発で飛べるようにする形で行った。回答専用のWWWホームページの内容は、こちらを参照されたい。
3.アンケートの結果集計
アンケート結果の集計は、PerlのCGIスクリプトを用いて、任意の時刻にその時点まで寄せられた回答の傾向を、割合や正規分布のz値、有意水準に達したかどうかの判定などをその場で全ての項目対について計算し、表形式に表示するようにした。
アンケート集計結果は、こちらを参照されたい。
4.結果分析手順
結果から、
互いに独立でない一組の標本における比率の差の検定を用いて、ドライ VS 非ドライ(ウェット+どちらでもない)の大きさを比較 検定方法については、中道實「社会調査方法論」(恒星社厚生閣 1997)p.353の例題11.3を参照し、以下のような数式で行った。
AP (UAPと同一の項目対にあって)当初の仮説でドライではないかと予想した方の項目において、実際にドライであると判定された割合
UAP (APと同一の項目対にあって)当初の仮説でウェットではないかと予想した方の項目において、実際にはドライであると判定された割合
NN 項目対のどちらでもない(項目対の両方ともドライでない)と判定された割合
ちなみにAPとUAPとは、同一の項目対において、互いに正反対の態度を述べており、1つの項目対において一方がドライであるとすると、他方は、自動的にウェットである、ということになる。正規分布のz値の求め方は、
z = ABS(AP - (NN + UAP))/SQRT((AP + (NN + UAP)) / n)
= ABS(AP - (1 - AP))/SQRT((AP + (1 - AP)) / n)
とする。
有意水準a = 0.01 で帰無仮説(ドライ=非ドライ)が棄却される(ドライ > 非ドライであると確言できる)には、z = 2.33以上が必要 サンプル数n = 75なので、AP = 0.63以上が必要
有意水準a = 0.05 で帰無仮説(ドライ=非ドライ)が棄却される(ドライ > 非ドライであると確言できる)には、z = 1.64以上が必要 サンプル数n = 75なので、AP = 0.60以上が必要
有意水準a = 0.10 で帰無仮説(ドライ=非ドライ)が棄却される(ドライ > 非ドライであると確言できる)には、z = 1.28以上が必要 サンプル数n = 75なので、AP = 0.58以上が必要
以下の本文中では、ドライとした割合が、非ドライとした割合よりも有意に多かった項目のみ(有意水準0.10以下)をピックアップして列挙し、説明している。この場合、ドライとした割合が有意に多い項目と対照をなす、反対側の項目がウェットと捉えられる割合は、反対側の項目がドライとした割合に等しい(1 - (UAP + NN) = AP)ので、有意にウェットであると捉えることができる。