国会、議会運営と液体、気体タイプ

2008.04 大塚いわお


世界における議会のタイプは、実質、気体的、液体的の2つのグローバルスタンダードが存在する。

気体タイプ、液体タイプを概観した表へのリンクです。

2つのグローバルスタンダードがどうなっているかを以下に表形式で概観する。

液体タイプの議会、国会運営については、今まで、あまり究明されてこなかった。それは、液体タイプの国々が、国際社会でこれまで優位に立ってきた気体タイプの国々(欧米)の議会、国会運営のあり方をひたすら導入しようとする余り、自分たちのタイプを無意識下に抑圧してきたからである。

しかし、それだと、何かにつけて議会、国会が空転しやすく、存在意義が薄いのが現状である。

そこで、液体タイプの国々に合った形の議会、国会の実像を明らかにするとともに、より円滑な議会運営ができるようになる、議会制度改善のためのポイントを明記した。

液体タイプの社会には、液体タイプの議会、国会運営が合っている。気体タイプの社会には、気体タイプの議会、国会運営が合っている。

分類 液体タイプ 気体タイプ
女性、母性主導 男性、父性主導
農耕民 遊牧・牧畜民
日本、中国、ロシア 北米、西欧
1 一体性onenessの重視 分散性diversityの重視
個々人が相互にあたかも母に包含されたかのように一体・融合・溶解して、一つにまとまること自体を強く指向する。
議会を、その内部が一体化、一致団結した集団、団体、党派、派閥単位での行動、意思決定の場と考える。
議会は、あくまでバラバラに独立した自由な個人単位の意思決定の集積と考える。
議題に関してたまたま意見が一致した者同士が一時的に一緒になっただけ。
一体性、全体が一つに包含された状態の達成、維持を指向する。
集団の割れを回避する。
全体が一つにまとまる、融和、和合するのを望む。
異論を可能な限り解消しようと試み、不可能な場合は抑圧する。
各自のバラバラ、分散状態の維持を指向する。
集団の割れを容認する。
各自が独自の見解を持ち続けるのを好む。
異論を容認する。
満場一致、全会一致を好む。 多数決を好む。
[円滑な議会運営には]
大政翼賛、一党専制(異論を許さない)が合っている。
[円滑な議会運営には]
2~多党制(異論の存在が前提)が合っている。
2 議場内は単なる儀式ceremonyの場 議場内は実質討議の場
事前の議場外での根回しと内定を徹底する。
議会当日は、事前に決まった原稿内容の読み上げ儀式に過ぎない。実質的な意見調整は、議場外で決まる。
その場でのリアルタイムの討議、決定を行う。
意見が一致しない場合、とりあえず先送りし、一致するまで議場の外で辛抱強く調整する。その間、議会は空転する。 意見が一致しなくても、議場内で即決する。
[円滑な議会運営には]
議会内に、議場とは別に、メンバー間の合議のための意見調整をする打ち合わせ場所を公設する。
[円滑な議会運営には]
議場内で全てリアルタイムで即決できることをサポートするように、議場の設備を整備する。
3 情緒、感情emotionで動く 論理logicで動く
所属する党派、グループ内での強い情緒的な一体感、一致団結、結束を確保することを重視する。
他の党派を、感情的、情緒的に敵対視し、嫌悪感を表明し、意地悪をして、攻撃する、いじめる(罵声を浴びせる等)。
相手との情緒的な違和感、しこり、自分たちとの感覚の相違を一番に考える。
感情的対立が続く限り、相手とは、そのままでは決して合意、和解しない。
党派は、バラバラな個々人が、集団での意思決定が必要になったため、一時的、手段的に集まっただけと考える。情緒的な一体感が欠如している。
反対の意見の持ち主と論理的、理性的、客観的に対立し、攻撃する。論理的に冷静にライバル党派を追い詰め、打ち負かして潰そうとする。
[円滑な議事運営には]
対立する党派、派閥同士の感情的な和解をもたらす、仲介役が別途必要であり、公設する。
[円滑な議事運営には]
少しでも早く論理的説得力のある意見を表明して、相手が反論できなくすることが必要。
4 所属人脈belongingで動く 信条、イデオロギーideologyで動く
どの人の主宰するグループ、派閥、人脈に所属しているか、それ自体を重視する。
相手が自分たちと違う、余所のグループに属すること自体が、相手との対立の原因となる。
信条が似通っていても、人間として感覚的に肌が合わないと、違うグループ、派閥になって相互に対立する。
各人の信条の相違を重視する。
相手との所属グループの違いそれ自体ではなく、相手が自分と違う信条を持っていることそのものが対立の原因となる。
違う党、グループに入っているのは、そもそも信条が違うことを意味する。
信条の変化次第で、即刻一人でグループ間を移動する。
[円滑な議事運営には]
議員の信条ではなく、所属人脈がどうなっているかをまず管理する。
5 秘密主義、閉鎖的closedである 開放的openである
協議、打ち合わせを議場外の密室、非公開にするのを好む(料亭での談合等、密談を好む)。 議場での公開討論を好む。
[円滑な議事運営には]
議会内に秘密協議をする場を用意する(議会内料亭みたいなもの)。


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