役割と機能


役割とは何か?個人が果たすところの、予め分割された、部分的な機能を生成する、活動の束(群)である。

機能生成遂行活動の、個人毎の分類・分割がなぜ起こるか?一人で担当できる、生成する機能の質・量に限界がある。そこで、各人で機能群を分担して生成する。機能群の分割(細分化)により、それぞれ異なる機能が、互いに関連し合って、ひとまとまりのネットワーク(機能ネットワーク)を形成する。

個人が役割を果たすとは、こうして形成された、機能のネットワークの一部分の生成・維持を、当の個人が担当することである。

役割がいかに生じるか?各人で機能群の生成を分担する際に、同じ(似た)種類の機能を束ねて、同一人物に担当させた方が、学習の能率が上がり、環境適応水準がより上がる。これは、役割分化(専門化)として、捉えられる。

個人の機能生成活動内容を、役割として捉えるとき、視点が、全体社会~組織にあり、その中での位置づけに重点がおかれる。全体の中に組み込まれた部分社会の自立性・自足性をいかに確保するか?自分の生成したい機能の種類について、複数の選択肢を用意してそこから決めることができるようにする、種類選択の自由を持たせる。



●個人が担当する役割の変化

社会における、各人が遂行するところの役割分化は、各人が生成する機能の細分化・専門化によりもたらされる。
機能が細分化された状態では、自分が、どの種類の機能生成を遂行するか(どの役割を担うか)について、いろいろ変化する可能性がある。

自分が今は就いていない機能生成の仕事についても、以下にあげる理由によって、将来就く可能性がある。
1)他者が生成している機能の供給不足が将来どのように起こるか予測できない(分からない)から。

2)今生成している機能の種類が、将来的に有効でなくなってしまい(その役割が、社会的に不要になる)、別の新たな種類の機能を生成する(環境適応に有効な役割を遂行する)必要が出てくるから。
 

1)の場合、ある機能生成を行う業務にすでに就いている誰かが、災害などに会って、機能生成の質量両面で不全状態に陥ったとき、その当人の立場を代行して、誰か他者が、機能充足を助けることになる。人間は、いつでも誰か他者が現在行っている機能生成行為の代行が可能なように、本来就くべき役割以外にも、機能生成能力をみがいておく必要がある。こうしたことは、各人による安定した機能提供(と交換)が、社会全体に対して行なわれる上で意味の十分あることである。

2)の場合は、各人が、周囲を取り巻く環境の変転に出会って、生成する機能の種類を適宜変更しつつ、いつも(恒常的に)十分な機能生成・配布への対価を得て、生きていくために必要な機能を十分手に入れ続けるることができるようにするために、意味がある。
 
 


(c)1998-2005 大塚いわお


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