■文化と機能


文化とは、人間~生物の、後天的に獲得した、機能生成・交換・消費に関わる行動様式のことを指すと考えられる。文化は、(1)その質量が、環境適応に十分であること、(2)その多様性が、環境の広い幅にわたる変動に対応できるほどに、大きいことが、求められる。

人間は、生成する機能の数を絞り込むことで、生成する機能の質量を向上させて来たが、場合によっては、その機能の環境適応上の有効性が失われて、生活の維持が難しくなる事態が起きることがある。そうしたことを予防するため、人毎に生成・提供する機能の多角化を、可能な範囲内で、図る必要が出てくる。複数機能を同時に提供することで、1つの機能提供で失敗しても別ので生き残ることを目的とする。人毎に異なる「機能プール」を持つことが、文化の多様性維持の源となる。

「機能プール」とは、各種機能を溜め込む容器の働きをするものであり、人間のような高度な記憶能力を持つ神経系の他、様々なソフトがインストールされるパソコンも、ソフトウェアの機能を溜め込む機能プールである。

文化においても、社会生物学における包括的適応度(inclusive fitness)(W.D.Hamilton)の概念が適用可能である。包括的適応度の概念は、血縁関係のある個体同士がお互いに助け合って生存率を高めようとすることを示すものである。同じ文化(宗教、所属企業)を持つ者同士が、互いに助け合って、その環境適応水準を向上させようとする動きが、現実社会においては、頻繁に見られる。



(c)1998-2006 大塚いわお

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