[仮説詳細説明]

0-Wet 液体分子
説明 運動エネルギーが小さい。
分子間力(相互間引力)が大きい。
0-Dry 気体分子
説明 運動エネルギーが大きい。
分子間力(相互間引力)が小さい。


〔基本仮説〕
1-Wet 集団主義
定義 互いにまとまって動こうとする
説明 互いの間に、分子間力相当の引力が働いている状態では、個人同士は、互いに引き付け合うことで、互いにまとまりを作り、一つに集まる(のを好む)。
引き合うことで、各人が一つの集団・団体の中で、互いにくっついて一体化し、融合することになる。
いったんくっつき合って集団を作ると、その中で互いに引き合い、まとまり合う力が働いて、みんな一緒にいようとする。集団を作って互いでひとまとまりでいる状態を維持しようとし、集団を割ろうとする力を否定しようとする。集団・団体でい続けようとし、集団全体の動きを、自分個人の動きよりも重要視するようになる。これは、集団全体の利益を、自分個人のそれよりも、優先しようとすることにつながる。中にいる個人が外に独りで出ようとする(脱退しようとする)と、それと反対方向に力が働いて、集団の中に引き戻そうとする。
1-Dry 個人主義
定義 互いに一人ずつ個別にバラバラに動こうとする
説明 互いの間に分子間力相当の引力(相互間引力)があまり働かないので、個人同士は、互いに引き付け合って集まることなく、互いにバラバラに離れたままでいようとする。したがって、集団・団体は、目的がない限り自然には発生しない。いったんできた集団を割ることも平気である。個々人は、周囲からの引力を気にせずに、単独(ひとり)で自由に動き回る(自分自身の動きや進行方向を決定する)ことができ、周囲の他者とは別の道を突き進むことができる。その点で、自分個人の動きや利益を優先することが可能である。集団外に抜け出そうとするときに、周囲の他者から、それを引き止めようとする引力が働かないので、簡単に脱退できる。
2-Wet 相互依存指向
定義 互いに依存し合う(もたれ合う)
説明 相互間引力が働いている状態では、互いに引き付け合うことで、互いに相手に寄りかかりあう、すなわち、相互にもたれ合う関係になる。相互に寄りかかりあうことで、互いに相手の状態に依存し合うことになる。互いに、相手に寄りすがろうとすることになり、その点依頼心(甘え)が強くなる。各自が一人で自立するには頼りないので、互いに依存し合う状態で、ひとまとまりになり(=派閥を作り)、外部に対して、一つにまとまった自分たちの勢力をアピールしようとする。
2-Dry 自立指向
定義 互いに自立している
説明 相互間引力が小さい場合、個人が自分の動きを決定するのに、周囲の他者の動きの影響を受けることが少なくなり、自分のことは自分で決定して行動できる(周囲の他者に行動を依存しないで済む)。その点、周囲の他者からは自立(独立)している。互いに寄りかかり合うことがなく、依頼心(甘え)は少ない。
3-Wet 密集指向
定義 互いに狭い領域に密集する
説明 互いに引き付け合うことで、相手との距離がなくなる方向に、力が働く。相互に隔てのない方向へと、近づき合うことで、互いに(大部屋のように)隔てのない、狭い空間に、互いに肌と肌が触れ合う状態で、ひとまとまりになって、密集するようになる。互いに狭い範囲内でものごとを見ることになり、視野が狭くなる。互いの間に十分な距離をとって眺めることができないため、客観性に欠けることになる。互いにより高い密度でまとまることを指向するため、権限などがどんどん中央に集中し(中央集権)、周辺に広がって行こうとしない。
3-Dry 広域分散指向
定義 互いに広い領域に散らばる
説明 相互間引力が小さいため、互いに引き付け合ってまとまり合うことが少ない分、より低い密度で広い空間内に、互いに分散して(距離を大きく取って、離れて)存在する。
個室にいること、すなわち、壁やドアによって、他者のいる空間から隔離される(他者のいる場所からの距離を大きく取る)こと、を好む。
広い領域に分散しているため、一度に広い範囲のものごとを見ることができ、視野が広い。互いの間に十分な距離をとって眺めることができるため、ものの見方に客観性がある。互いにより低い密度で周辺に広がっていくを指向するため、権限などがどんどん地方に分散していく(地方分権)。

[注]
*「心理的距離空間」を、「個人同士が、心理的に互いに近い位置にいるか、遠い位置にいるかを表すための多次元空間」と定義する。
4-Wet 画一指向
定義 互いを画一的な枠にはめようとする
説明 相互間引力が働いている個人同士は、相互に引き付け合うことで、互いに同じところ(場所)に集中しているようにしようとする。互いに存在する位置を同じ(共通)にしようとする。物理的・心理的に互いに同一の位置を集中して占めようとすることで、互いに画一的な状態で横並びすることになる。存在位置が画一化した状態で、相互束縛的なまとまりを作るため、そこから一人別の位置に行こうとする(存在位置の点で個性的あろうとする)ことができず(没個性的であり)、画一的な自分たちの中で個性的になろう(自分たちとは別の位置を占めようとする)個人の存在を、認めようとしない(異なる意見の持ち主に対して寛容でない)。
4-Dry 多様性の尊重
定義 互いの多様性を重んじる
説明 相互間引力が小さいため、相互に引き付け、まとまり合う度合いが少なく、存在する位置が、互いにバラバラに離れている(多様である)のを許容する。空間内での分布のはずれ値が多い(分布の幅が大きい)。互いに相手とは異なる独自の位置に存在する、という思いから、自分とは異なる意見の持ち主の存在に対して寛容である。


5-Wet 人間指向
定義 互いに他者(他の人間)を指向する
説明 互いの間に引力が働いた状態では、個人は互いに自分が他者を引力によって引き寄せる、あるいは他者が発する引力に引き寄せられることで、互いに他者(人間)を指向することになる。あるいは、他者と互いに引き付け合い、近づき合う関係にはいることを重視するようになる(人間関係そのものを重視する)。
相互に引き付け合うことで、互いに他者と十分な近さまで近づきあうことで、触れ合うようになることを好み、その結果、相互の関係は親密なものとなる。互いに近い距離にいる、同じ位置を共有するようになり、心理的な面からは、互いに共感し合う状態になる。自分と他者とが、互いに引き付け合って心理的・物理的に一体化することを望みやすくなる(愛という言葉を使うのを好む)。互いに心理的に近い存在になろうとするために、周囲の他者に気に入られようとしたり、よい印象を与えようと気にしたりする。あるいは、自分の内面を他者に対して積極的に開示して、互いに相手と関心を共有しようとする(ことで心理的に同じ位置を占めよう、心理的に近づこうとする)。周囲の他者への配慮という形で、互いに引き付け合う(牽制し合う)力を行使しようとする。
互いに他者(人間)を指向しあうことは、たとえ自分たちと同類(人間)でなくても、それにより近いもの(有機物、人形、ぬいぐるみ)を指向する(近づく、一緒にいようとする、扱うのを好む)ことにつながる。
5-Dry 非人間指向
定義 互いに他者(他の人間)を指向しない
説明 互いの間に引力があまり働かない状態では、互いを引力によって引き寄せ合う、互いに他者(人間)を指向するという契機に欠ける。その点で、人間関係を何かの手段としてしかみない。相互に引き付け合って近づくことがないため、他人との触れ合いを好まず、人付き合いのあり方がよそよそしい。互いに心理的にバラバラな位置にいるので、互いに共感し合うことが少ないし、相互間の配慮も少ない(足りない)。互いに相手と関心を共有しようということがないため、自分の内面を相手に開示したがらないし、相手にあえて気に入られようとすることもない。自分たち人間とはかけ離れた、無機物の扱いに心惹かれる。
6-Wet 縁故指向
定義 互いに結びつきの慣れを持つ
説明 個人同士が互いに相互間引力によって、くっつき合う(心理的に一体化し合う)状態になるのを繰り返すことによって、人と人との間の結合connection自体に慣れが生じる(結びついた状態が日常化する)。人間同士が互いに慣れた結びつきを持って、互いに引力を及ぼしている状態が「縁故がある」ことになる、と考えられる。相互間引力のおかげで人間同士が強い紐帯を持つに至ることが可能となる。
相互間引力によって互いに結びついていることが当然となった人間同士の関係は、血縁関係で結ばれた家族同様のレベルまで深まることもしばしばであり、そのときには、家族的な雰囲気を現すようになる、と考えられる(実の親子と擬制する親分子分関係など)。
6-Dry 非縁故指向
定義 互いに結びつきの慣れを持たない
説明 相互間引力が小さいと、他者との結合connectionが生まれにくく、縁故ができにくい。人間同士の紐帯が弱い。人付き合いのレベルが浅く、家族的でない。


7-Wet 規制主義
定義 互いに動作を規制し合う
説明 互いの間に引力が働くことで、その引力がしがらみとなって、自分の当初進みたいと思う方向へ向かって、自由に動き回ることができなくなる。相互間引力は、個人同士の互いの動きを、互いに引き付け合って、牽制・束縛・拘束し合う(足を引っ張り合う)方向に向かわせる。こうした相互の動きを縛り合う人間同士の引力が働いた状態が、「規制」がある状態である。人間関係において、互いの間に引力が働いていると、それが人間同士の自由な行動を抑え込む力となって(しがらみとなって)、身動きが取れなくなる。
個人同士の間に相互間引力が働いている状態では、一人が行動を起こそうとすると、行動を起こした本人と周囲の他者との間に働いている相互間引力によって、本人が周囲の他者からの力によって、行動前の元の位置に引き戻されるなど、その行動を規制される。この場合、同時に、周囲の他者は、行動を起こした本人由来の引力によって、不本意な方向に引きずられる、といったことも起こる。これが、足の引っ張り合いや、しがらみがある、行動の自由がない、と行動を起こした本人に感じられるもととなる。
相互間引力の存在する状態で、一人が行動を起こすと、引力が働いているため、周囲の他者をついでに引っ張ってしまうなど影響が広く及ぶため、行動を起こした結果(例えば失敗)についての責任は、行動を起こした本人一人のみに限定されず、周囲の皆の連帯責任と見なすことになる。こうした状況では、個人が単独で自由行動を完遂するのは不可能である。そのため、周囲の他者が同意しない限り行動を起こさない、といった方策が取られることになる。
相互間引力がある集団内では、一人だけの抜け駆けができなくなる。一人が抜け駆けしようとすると、引力が、抜け駆けしようとする本人と周囲の他者との間に働いて、周囲の幾人かもそれにつられて動いてしまい、一緒に付いて来てしまったり、周囲の他者が抜け駆けしようとする本人に対して、自分たちの中に引き戻そうとする(分子間力同様の)力を働かせようとするためである。要するに、一人だけで動こうとしても、周囲の他者との間に複数の相互間引力が働いているので、それがしがらみとなって、自由に動けない。
7-Dry 自由主義
定義 互いに自由に動き回ろうとする
説明 相互間引力が小さいので、互いに引き付け合って、束縛・牽制し合うことがあまりない(人間関係のしがらみがなく、自由に身動きできる)。自分がある方向に動こうとしたときに、互いに引力で相手の足を引っ張り合うことなく、だれにも規制されずに自由に動き回ることができる。一人一人が、互いに周囲の状況から独立して(抜け駆けしてなど)、自由に自分の行きたい方向へと、常に進むことができる(互いに自由に行動することを許す)。行動を起こした結果に対する責任は、行動した本人にのみ限定することが可能である。


8-Wet 他律指向
定義 自分の進行方向を自分だけでは決められない
説明 相互間引力の只中にいる個人は、自分の行動や進行方向を、周囲の他者によって決定されることを指向する(ないし、せざるを得ない)。相互間引力の働いている状態では、各人が周囲の他者からの影響(牽制など)を受けて、自分の動く方向を好む好まざるとにかかわらず変える必要に迫られる(自主性が保てない)。自分の進路は、自分の周囲に存在する他者由来の相互間引力との兼ね合いで決まり、自分一人だけで決めることはできない。その意味で、周囲の他者による影響が大きい。
周囲の流行に振り回されるということは、周囲から発せられる相互間引力に引かれるままに動くことである。相互間引力は、その中にいる個人に対して、起こす行動における主体性の欠如した、周囲の意見に左右されやすい(自分の意見を持っていない状態を引き起こす。
8-Dry 自律指向
定義 自分で自分の進行方向を決められる
説明 相互間引力が小さい場合、各人は、自分の行動や進行方向を、周囲の他者からの引力に影響されず、自分一人で決定することができる(自主性を保てる)。自分の動く方向を、周囲の他者の動きに合わせて変える必要がない。周囲の動向(流行など)に振り回されず、自分の意見を持ち続けることが可能である。
9-Wet 同調指向
定義 存在位置を互いに合わせようとする
説明 自分の行動や進行方向を周囲の他者に合わせよう(互いに同じにしよう)とすること(同調への指向)は、周囲の他者と心理的な位置を同じくしようとして、近づき合うことを意味する。周囲の他者と同じことをしようとする(周囲の他者の真似をする)ことは、心理的に互いに同質化して近づこうとする(同一の位置を占めようとする)ことを意味する。意見の同じ者だけでまとまろうとするのも、相互の心理的同質性を確保して、心理的に同じ位置を持つことで、互いに一体・融合化しようとする姿勢の現れである。これらの態度は、いずれも、心理面で相互間引力を働かせて、互いにひとまとまりになって心理的に同一位置を共有しようとする動機を含んでいる。周囲の多数派・主流派と一緒になろうとする。そのため、一人だけ孤立するのを避けて没個性的であろうとする。同じ心理的位置を共有する仲間の数がより多く集まることで、当該心理的位置における人口密度が高まる。それは、個人間に相互間引力が働いて、当該心理的位置に各人が密集したことを指す。
9-Dry 反同調指向
定義 存在位置を互いに合わせようとしない
説明 引力が小さい環境下では、個人は、心理面で、互いにひとまとまりになろうとする相互間引力から自由になって、互いに別々の(違った)、独自の(個性的な)位置を確保することが可能である。周囲の他者と心理的位置を共有する方向への引力が働かないので、行動を周囲の他者に合わせようとすることがない(周囲の皆と違ったことをする、他人の真似をしない。周囲からの孤立を恐れない。)
10-Wet 権威主義
定義 存在位置に関して(すでに認められた)主流派の一員に入ろうとする
説明 権威ある者は、その周囲に既に心理的追従者が沢山集まっており、その存在を既に揺るぎないものとした多数派の中での中心人物として位置づけられる。そういう意味で、権威ある者のいる辺りは、最も心理的な人口密度が高い。権威を信じることは、心理的な高人口密度の中に参加できることを約束するものであり、権威あるとされる者のいうことを信じやすいこと(ブランド信仰など)は、心理的距離空間内において沢山人が集まっているところに自分も行って、人口密度を増やしたいと考えやすいことであり、互いに集まり合うという、相互間引力を行使することにつながる。
10-Dry 反権威主義
定義 存在位置に関して少数派で構わないとする
説明 権威を信じないことは、権威に引き寄せられた多数派(主流派)の人々の中に入ろうとしないことであり、心理的距離空間内において互いに集まろうとしない、相互間引力を行使しない方向の行動である。


11-Wet 反プライバシー
定義 互いのプライバシーを重んじない
説明 互いに絶えず相互間引力を及ぼし合うことは、相手へと一定の力を及ぼし続けるとともに、相手に及ぼした力のフィードバック(自分の及ぼした力に対して相手がどう動いたか)を取得し続けることにより、相手の状態を絶えず見張る(監視する)ことと同じである。自分がどの方向にどの程度引っ張られたかを知ることにより、そこから逆に引力を互いに及ぼしている相手がどう動いたかを知ることになる。相手のプライバシーヘの干渉は、相互間引力の働いている状態では、互いに相手からの引力の状態を察知し合うのが可能なことにより、必然的に起きる。
あるいは、互いに引力によって、頻繁にくっつき合い、接触し合うことは、互いのプライベートな空間への絶え間ない侵入を引き起こすことにつながり、他者(ないし自己)のプライバシーへの干渉(私事への介入)に結びつく。
互いに視線を送り合う(アイコンタクトを取る)ことは、互いに相手を監視し合い、相互間引力を働かせて牽制し合うのと同じである。
他人のうわさ話をするのを好むことは、自分が(話の種となる)他者のことを監視するのを好むことを示す。
自分が他人にどう見られるかを気にするのは、周囲の他者からのまなざしによる牽制・監視(プライバシーに介入する引力の存在)を感じるからである。化粧をするのは、そうした他者による、自分のことをを牽制する視線の存在を予め意識して、自分の外観(顔や服装)を他者に効果的に映るように(他者を逆に牽制する形で)コントロールすることである。見栄を張るのも、他者に自分がよく見えるように、自分の見た目をつくろうことであり、他者の視線による牽制を前提とした行動である。
11-Dry プライバシー尊重
定義 互いのプライバシーを重んじる
説明 相互間引力が少ないと、相手に力を及ぼす(足を引っ張るなど)ことが起きにくくなり、互いに引力に対するフィードバック(自分の及ぼした力に対して、相手がどう動いたかについての情報の取得)によって相手の状態を知る(取得する)手がかりがなくなり、相手のプライバシーへの干渉が起きなくなる。あるいは、引力によってくっつき合う(接触し合う)ことがないため、互いのプライベートな空間へと侵入を引き起こすことがなくなり、プライバシーが尊重された状態が保たれる。互いに視線の送り合いやうわさ話、密告などで、相手を監視・牽制し合う、といったことがなくなる。


12-Wet あいまい指向
定義 動作方向が率直・明快でない
説明 ある個人が特定の方向に進もうとしたとき、自分の周囲の多方面から引力を受けると、その影響で、進行方向があいまいとなる。すなわち、相互間引力が働く対人関係においては、当初明確な意図を持って動こうとしたとしても、周囲の他者からの相互間引力による介入・調整の繰り返しにより、いつしか進行方向があいまい、不明瞭(玉虫色)となる。
12-Dry 反あいまい指向
定義 動作方向が率直・明快である
説明 相互間引力が少ない状態では、個人の動き(今後の進路を含めて)が、周囲の他者からの引力による干渉を受けて曲がることがないので、まっすぐ(率直)・はっきり(明快)な状態を続けることが容易である。当初明確な意図を持って動こうとしたとき、周囲の他者からの相互間引力による介入・調整がないので、進行方向がはっきりした、明確な状態を続けることができる(あいまいさが生じない)。
13-Wet 非合理指向
定義 周囲からの引力を断ち切れず割り切れない
説明 相互間引力が働く環境下では、周囲の他者からの引力による介入を断ち切れず、割り切った行動を取れないため、自分のいったん決めた方向に向かってまっすぐ進むことができず、合理的な論理や計画が、曲げられてしまう。進む方向が、その場の周囲からの引力の働く方向(雰囲気)に絶えず影響されて、一時の感情にまかせて、気まぐれにアトランダムに変わってしまうため、自分で論理的な方針を組み立てることができず、合理的な方向へと進んでいくことができない。
13-Dry 合理指向
定義 周囲からの引力を断ち切って合理的に割り切って行動する
説明 相互間引力が働かない状態では、周囲の他者からの引力による介入から自由になることができ、割り切った行動を取れるため、自分のいったん決めた方向に向かってまっすぐ進むことができ、合理的な論理や計画が、曲げられることなく貫徹可能である。進む方向が、引力に影響されることがないため、自分で論理的な方針を組み立てることが可能であり、合理的な方向へと進んでいくことができる。


14-Wet 静的指向
定義 相互間引力を振り切れず自発的に動き回れない
説明 自分から進んで自発的に積極的に動き回ろうとする、活動性(運動エネルギー)が、(液体分子同様)相対的に小さい(物理的な動作や、心理的決断などの速度がゆっくりである)ため、その場に静止してとどまることになる。人と人との間の相互間引力を振り切って動き回ることができにくい。
14-Dry 動的指向
定義 相互間引力を振り切って自発的に動き回れる
説明 自分から進んで自発的に積極的に動き回ろうとする、活動性(運動エネルギー)が、(気体分子同様)相対的に大きい(物理的な動作や、心理的決断などの速度が大きい)ため、その場に静止することなく動き回ることになる。個人間の相互間引力を振り切るだけの運動エネルギーにあふれている。
15-Wet 定着指向
定義 今いる地点に定着しようとする
説明 自分から進んで動こうとする運動エネルギーに欠けていて、かつ、相互間引力の只中で、自分がある方向に移動しようとすると必ずそれに対する反作用がかかって、自分が今までいた地点に引き戻される状態では、個人は、いつまでも既存の、今まで、自分がその場所に存在したり、その中に所属していた、集団などの対人関係(組織)の中に、外に拡散することができずに、現状維持のままとどまり続ける(定着、定住し続ける)。人間関係が固定的(人事が停滞的)だったり、相手との取引関係が長期にわたるようになる。
上記の現象は、ウェットな感覚を与える液体分子群(水など)において、コップなど、ふたのない容器に入れておいても、いつまでもその中にいて、外に拡散していくことがない(蒸発は、気体分子になることで初めて可能になる)のと、同様であると考えられる。
15-Dry 非定着指向
定義 今いる地点に定着せず絶えず拡散しようとする
説明 自分から進んで動こうとする運動エネルギーに満ちていて、相互間引力が小さい状態では、個人は、自由に、今までいた場所や、所属していた集団を離れて、一カ所に定着することなく、新しい境地へと絶えず動き回ることが可能である。この状態では、人間関係は、流動的な(短期契約的で、すぐ切れやすい)ものとなり、短期間で次々所属する組織を変わることになる。
上記の現象は、ドライな感覚を与える気体分子群(空気など)において、いったん容器に閉じ込めておいた状態でふたを取ると、すぐに外に拡散してそこからいなくなってしまうのと、同様であると考えられる。
16-Wet 前例指向
定義 今までいた領域にとどまろうとする
説明 今までいたところに、いつまでも、居続けようとする(一カ所に定住・定着する)状況下では、個人は、新境地(新分野)への移動・拡散性が欠如しており(冒険しようとしない)、行動の基準を、従来から存在するしきたりや前例に求める。しきたりや前例は、定住先で生活するために従来必要であった知識の蓄積であり、その有効性に関してチェックを行わないまま(今までと同じ環境下に居続けるのであれば不要である)、無批判にそのまま受け入れることになる(現状の追認を好む)。新天地へ積極的に出ようとする姿勢が欠如しているため、自分のアイデンティティ確立を、既に定評のある、前例に当たる知識や方法との、暗記による一体化を行うことで果たす。
しきたり・前例に関する知識の暗記量で人間の価値を推し量ろうとする(心の中での前例蓄積量や質によって人間の価値が決まる)。人間関係を、前例を沢山蓄積している先輩と、蓄積量が少ない後輩との差別によって把握する、年功序列が常識化する。年功序列で上位の人間が、下位の人間を、ただそれだけの理由で支配する、先輩後輩関係を重視しようとする。
16-Dry 独創指向
定義 未知の領域に進もうとする
説明 今までいたところから絶えず動き回ろうとする状況下では、個人は、新境地(新分野)への移動・拡散性にあふれており(冒険したがる、前人未踏のことに挑戦したがる)、行動の基準を、従来にない新規の独創的なアイデアに求める。しきたりや前例の暗記よりも、新たな知識の創造や、現状の変革を重んじる。


17-Wet 閉鎖指向
定義 形成する集団が外部に対して閉じている
説明 相互間引力がある状態では、(物理的液体のような)表面張力が対人関係において働いており、形成済の集団の表面から中に入ることができない。自分の属する集団の表面積をできるだけ小さくしようする(外部の者を中にいれようとしない。集団内の仲間が表面から外に出ようとすると、中に引きずり込もうとする)。閉鎖的な対人関係を好み、自分が属する集団・仲間内の相手としか付き合おうとしない(自分の属する集団内のことにしか関心がない)。
17-Dry 開放指向
定義 形成する集団が外部に向かって開いている
説明 相互間引力がない状態では、(物理的液体に見られるような)表面張力のようなものは、対人関係において存在せず、形成済の集団の表面から中に入ることが容易に可能である(外部の者に対して中が開放されている。集団内の仲間が表面から外に出るのも自由である)。開放的な対人関係を好み、自分が属する集団・仲間外の相手とも付き合おうとする(自分の属する集団外のことにも関心を持つ)。


〔その他〕
E1-Wet 後進的
定義 考え方が遅れている
説明 非合理・非科学的であり、未踏の分野に自分から進んで出ようとしない(前例踏襲的で、独創性を軽んじる)ため、(ドライな個人に比して)より後進的な考え方を持つことになる。近代化を自ら内発的に進める力がない(近代化を、ドライな社会が独創したところの、前例を踏襲・採用する(真似る)ことにより、初めてなし遂げる)
E1-Dry 先進的
定義 考え方が進んでいる
説明 合理・科学的であり、未踏の分野に積極的に拡散しようとする(独創的な)ため、(ウェットな個人に比して)より先進的な考えを持つことができる。近代化を自ら内発的に進める力を持つ。
E2-Wet 農村的
定義 農村(ムラ)的な人間関係を好む
説明 農村の居住形態は、物理的には都市よりも、世帯同士は互いに分散しているが、住民の職業が、自給自足的農業という点で共通しており、互いに同質であるため、心理的位置が互いに近い。何世代にもわたって一カ所に定住し続けるため、定着性が極めて高い。同一の組み合わせの人付き合いが何世代にもわたって続き、住民間に地縁・血縁の縁故関係が蓄積する。互いにプライバシーに疎い。
E2-Dry 都市的
定義 都市(都会)的な人間関係を好む
説明 都市住民は、物理的には一見過密だが、オフィスや住居毎の丈夫で分厚い壁および、持ち主当人にしか開かない鍵の存在が、互いを大きく隔てる効果を持っており、実質的には分散している。互いに異質で多様な職業についていて、心理的位置が互いに遠い。都市住民は、プライバシーを守るため、互いに深入りしない皮相的・匿名的な人間関係を形成し、相互間の縁故が薄い。都市においては、住民がどんどん入れ替わり、定着性が低く、縁故の蓄積がなされない。
E3-Wet 温かさ
定義 人当たりが温かい
説明 自分の意見を、相手から肯定・共感されたり(同意見だと言われるなど)、相手に自分のことを受け入れられたとき、相手に対して温かさを感じる。これは、相手と心理的位置が同一となるか、互いに近接することが分かったときである。
E3-Dry 冷たさ
定義 人当たりが冷たい
説明 自分の意見を、相手から否定されたり、相違点を強調されたりするとき、あるいは、相手に自分のことを拒絶されたり、距離を置かれたりするときに、相手に対して冷たさを感じる。これは、相手と心理的位置が離れたり、別々である(同調的でない)ことが分かったときである。
E4-Wet 粘り気あり
定義 人当たりに粘り気がある
説明 粘り気を帯びた物体に、手を触れると、べたべたとまとわりつくような、じめじめした、ウェットといえそうな感触を、皮膚に与える。例えば、納豆(大豆に細菌が作用して発酵したもの)は、かきまぜると、豆と豆との間に粘り気が生じる。これは、複数の豆の間に、互いにくっつき合う、引き付け合う、引力が働いている状態と考えられる(他には、静電気を帯びた発泡スチロールの粒々などが、この状態に当てはまる)。このことから、分子間力相当の(互いに引き付合い、牽制し合う)力が働いている物体は、その物体の大きさに関わりなく、ウェットな感覚を、人間に対して与えることが、推定される。
E4-Dry 粘り気なし
定義 人当たりに粘り気がない
説明 粘り気のない物体(例えば、乾燥した大豆の粒々)に手を触れると、くっつき合うことなく、すぐに手から離れて、さらりとした、ないしカラッとした、ドライといえそうな感触を、皮膚に与える。このことから、分子間力相当の(互いに引き付合い、牽制し合う)力が働いていない物体は、その物体の大きさに関わりなく、ドライな感覚を、人間に対して与えることが、推定される。
E5-Wet スケールの小ささ
定義 考え方のスケールが小さい
説明 運動エネルギーが小さくて、静的であるため、心理的に動き回る空間体積が小さい。その結果、心理的に考えを巡らせるスケールが小さくなる。
E5-Dry スケールの大きさ
定義 考え方のスケールが大きい
説明 運動エネルギーが大きくて、動的であるため、心理的に動き回る空間体積が大きい。その結果、心理的な思考スケールが大きくなる。
E6-Wet 老年
定義 年を取っている(高齢である)
説明 身体が老化しており、動作が活発でない。昔の前例にこだわる。
E6-Dry 若年
定義 年令が若い
説明 身体が活発に動く(動的である)。自分にとって未知の領域に積極的に飛び込んで行き、進取の気性に富む。
E7-Wet 非民主的
定義 考え方が民主的でない
説明 個人が、ものごとを選択するに当たって、周囲の他者に同調を強制され、自分の意思で選択することができない。個人の尊厳(プライバシー、自由など)が侵されやすい。
E7-Dry 民主的
定義 考え方が民主的である
説明 個人が、(周囲の他者に同調を強制されることなく)自分の意思で、ものごとを選択できる。個人の尊厳(プライバシー、自由など)が保たれる。


(c)1999 大塚いわお