〔男女の行動面での性差と、対人感覚のドライ・ウェットさとの関連:まとめの表〕

 表中、文字列の赤色は、ウェットさ、青色は、ドライさを表しています。
  全て、女性ウェット男性ドライ、という結びつきとなっています(逆のパターンは、見つかりませんでした)。

  なお、表中の「→B20 互いに集まる.....」といった表記は、表中の記述内容に対応する、ドライ・ウェットな性格・態度とは何かに関するアンケート回答項目を示しています。
 
〔1〕個人主義集団主義  出典
男性特定の理由で集まるが、女性単に集まるために集まる→B20 互いに集まること自体を好む/何か目的がないと集まらない Mitchell 1981
女子社員の多い職場では、必ずといってよいほど、いくつかのグループができる。女性は、とくに、集団を好み、楽しむようだ。 影山1968
女性は、心身ごと人や事と融合して一体化する傾向があり、愛情や感情移入を示しやすい→A14 他者との一体化・融合を好む 間宮1979
女性は、全体の中に自分を調和させる(埋没させる)行為に快感を味わう→A14 他者との一体化・融合を好む 皆本1986
男性的な権力の使い方は、個人を重視し、個人の功績を賞賛し、個人を集団から分離するのに対して、女性的な権力の使い方は、集団の幸福他人との関係を促進する Bakan 1966
〔2〕自立指向相互依存指向
なし
〔3〕広域分散指向密集指向 
女子は、細部に着目するような認知の速さや、手先の器用さに優れるのに対して、男子は、細部よりも、全体に着目して物事を考える。女性は、(男性のように)広い視野に立って思慮し判断をせず、感情的に断定を下す→F22 ものごとを見る視野の広さ 間宮1979
男性は、他人との距離を、女性の場合より大きく取りたがるのに対して、女性は、人の物理的接近に対して、男性より寛容(肯定的)である Mitchell1981
男性密集した状態女性よりも不快に感じる→A3 広い空間に分散 Deaux 1976
女性は、(男性のような)個人と個人との二元的対置困難である。→C3 物の見方が客観的でない 間宮1979
女性は、ものごとを客観的に見ないで、問題を人間対人間の感情の問題に置き換える 影山1968
女性は、中心へ密集する傾向を持ち、男性周辺へ分散する傾向を持つ→A3 狭い空間に密集/広い空間に分散、F24 中央集権/地方分権 Mitchell 1981
男性孤独に耐え、転任による独居も、女性ほどには痛痒を感じない。→E32 互いに離れているのを好む 間宮1979
〔4〕多様性の尊重画一指向
男児の方が、自由が多く、(行動が)型にはまることが少ない、予測しがたい。 Mitchell 1981
女子は、男子に比べて、カテゴリーの規準から逸脱する幅が少ないし、カテゴリーが狭い→B17 画一的な枠にはめようとする Wallach1959
〔5〕非人間指向人間指向 
男性は、原料、物体、機械的問題、あるいは抽象的概念のようなことを取り扱う職業の追求に心を奪われる...(のに対して)女性の世界は、..はるかにもっぱら人々の世界であり、他者の願望や期待に非常に敏感である。女性は、他者を判断する際、男性よりも、感知力がある。→E27 人間関係そのものを重視 Newcomb1965
男子は、物事を直接的に研究し、操作するのに対して、女子では事物よりも人間の声や顔など対人関係に引かれ..対人的交流に適合した言語機能がよく発達する→E27 人間関係そのものを重視 間宮1979
男子の描くモチーフは車・飛行機など..無機物であるのに対して、女子の描く主役は有機物である。...女性画には擬人化が多い。→F42 無機物/有機物を扱うのを好む 皆本1986
〔6〕非縁故指向縁故指向 
なし
〔7〕自由主義規制主義
上司が、女性に注意する時は、一方的にあなたが間違っていますというよりは、自分にも責任があるような言い方をすれば非常に効果が上がる。→B15 一人の犯した失敗でも周囲の仲間との連帯責任とする 影山1968
〔8〕自律指向他律指向
女性は、自我が自律的でなく、他人との関係によって維持される Mitchell 1981
女性は、自主的な判断自信をもって決断することを躊躇する→C38 取る行動に自主性ある/ない 間宮1979
女性は、他者の期待や願望非常に敏感である→A23 周囲の意見に左右されやすい Newcomb1965
男子は、学習活動に対する自我関与の程度高いのに対して、女子は、課題の成否よりも、成績に対する(親や教師など周囲の他者の)要求水準や、(周囲との)対人比較に裏付けられた意欲が高い→A23 周囲の意見に左右されやすい 間宮1979
〔9〕反同調指向同調指向
女性は、まわりへの気兼ねから、本心とは違った意思表示をしたり、しばしば本心とは逆の行動様式を取る→B9 行動を周囲の人々に合わせようとする 影山1968
女子は、仲間との適合性が高く、(周囲との)判断の不調和にもそれに同調して自己の判断を変えるか、不調和に耐えて友人関係を維持するの対して、男子は、自己の判断に固執し、仲のよい友人でも同調できにくいし、不調和のままに耐えることも不得手である。→B9 行動を周囲の人々に合わせようとする/しない 間宮1979
男性は、自己表現を尊ぶが、他者との協調的表現に関心が乏しいのに対して、女性は、自己主張より、他者との調和、他者への奉仕に大きな価値を感じる。→B9 行動を周囲の人々に合わせようとする/しない 皆本1986
女性は男性に比べて同調性が高く、同情的であるし、影響力の強い人間に同一化しやすい→C34 周囲に同調したがる Schwarz1949
使う言語の文法的な特徴が標準からはずれていることについて..は男よりはるかに気にしやすい Trudgill 1974
〔10〕反権威主義権威主義 
女子の方が、自己防衛のためにおとなの権威を援用しようとする 間宮1979
の方が男よりも標準変種威信を持つと見なされている訛りに近い形の言葉を使う...権威ある特徴の発音を使う率が、社会階級を考慮に入れても、は男よりはるかに高い....は男より「良い」(正しい)形の発音を使う率が高い。 Trudgill 1974
〔11〕プライバシー尊重反プライバシー
なし
〔12〕反あいまい指向あいまい指向
女性は、男性に比べ、退嬰的で、明確な態度を表明しない →A9 物の言い方が率直/遠回し 間宮1979 
女子は、万遍なく全教科を習得しようとする(筆者注:教科に対する指向が不明確である)のに対して、男子は、得意な教科にエネルギーを集中し、不得意・退屈な教科には力を抜く(筆者注:教科に対する指向が明確である)→B18 自分の今後の進路をはっきりさせようとする/しない 間宮1979 
男性原色を使い、中間色避けるが、女性多く使う→A22 物事の白黒をはっきりさせる/あいまいにとどめようとする 皆本1986
男性画は、特定の色やモチーフに関心を集中し、他を切り捨てる(筆者注:色に対する指向が明確である)のに対して、女性の色使いは、特定色に偏るのを避けて、どの色も均等に使うこの色を使ったから、あの色も使わねば、と考える(筆者注:色に対する指向が不明確である)→B18 自分の今後の進路をはっきりさせようとする/しない 皆本1986 
〔13〕合理指向非合理指向
なし
〔14〕動的指向静的指向
女性は、男性のような強い自己主張好まない→C14 自己主張 皆本1986
〔15〕非定着指向定着指向
女児画の中心は、男児画より低めに位置することが多く、どっしりとした安定感がある。女の子は、高いものへの興味希薄である。→C33 考え方が大地を指向する 皆本1986
乗り物類を描く女子は、男子に比べ非常に少ない→A11 一カ所に定着して動かない 皆本1986
〔16〕独創指向前例指向
新しい道具に出会った時、男子好奇心で目が輝きうれしい様子を示すのに対して、女子恐怖心を示して尻込みする。→C22 新分野への拡散 皆本1986
女子の方が多くの種類の事象に恐怖反応を示す→D37 冒険しようとしない Goldstein 1959
女子失敗に当面すると、解決の仕方がでたらめになり、課題場面から逃避する傾向が、男子より目立つ。→D37 冒険しようとしない Hermatz 1962
女子以前成功した課題に戻る頻度が男子より多く、男子以前失敗した課題に戻る頻度が女子より多い→D37 冒険しようとしない Crandall 1960
男子は、攻撃性を、反社会的・破壊的な行動の形で表現するのに対して、女子は、合社会的(規則を楯にする)・非破壊的(口先・態度のみ)な行動の形で表現する。女性は、反社会的行動が、男性に比べて少ない。→F30 現状を変革/追認 間宮1979
男性現状を変えることを望んでいるのに対し、女性は男性が変えた現状に依存するが、自ら現状を変えることには消極的である。→F30 現状を変革/追認 皆本1986
女子の方が環境に適応し、規則を遵守する→F30 現状を変革/追認 間宮1979
〔17〕開放指向閉鎖指向
女子の方が、排他的閉鎖的派閥作りやすい 間宮1979



〔参考文献〕

(注) ????マークの付いた文献は、文献抽出で用いた〔間宮1979〕で、データが省略されているため、詳細データが分からなかったものである。

Bakan,D., : The Duality of Human Existence , Rand McNarry, 1966
Crandall,V.G.,Robson,A., : ???? (間宮1979 p178参照) , 1960
Deaux,K.: The Behavior of Women and Men , Monterey, CA:Brooks-Cole, 1976
Goldstein,M. : ????(対処的・回避的行動と恐怖を誘発する宣伝に対する反応との関係) ,The Journal of Abnormal and Social Psychology, 1959 ,p247
Hermatz,M.C. : ????(間宮1979 p178参照) , 1962
影山裕子 : 女性の能力開発, 日本経営出版会 , 1968
間宮武 : 性差心理学 , 金子書房 , 1979
皆本二三江 : 絵が語る男女の性差 , 東京書籍 , 1986
Mitchell,G. : Human Sex Differences - A Primatologist's Perspective , Van Nostrand Reinhold Company, 1981 (鎮目恭夫訳 : 男と女の性差 サルと人間の比較 , 紀伊国屋書店 , 1983)
Newcomb,T.M.,Turner,R.H.,Converse,P.E. : Social Psycholgy:The Study of Human Interaction, New York: Holt,Rinehart and Winston, 1965 (古畑和孝訳 : 社会心理学 人間の相互作用の研究 ,岩波書店 ,1973)
Schwarz,O. : ????(性の心理学) , A Pelican Book , 1949
Trudgill,P.:Sociolinguistics: An Introduction, Penguin Books, 1974(土田滋訳 : 言語と社会, 岩波書店, 1975)
Wallach,M.A.,Caron,A.J. : ????(心理的類似性の決定因としての帰属的規準性と性別関連の保守性) , The Journal of Abnormal and Social Psychology ,1959 p43
Wright,F.: The effects of style and sex of consultants and sex of members in self-study groups , Small Group Behavior, 1976, 7 , p433-456