暑さ・涼しさとドライ・ウェットさ
2005.7-2005.10 大塚いわお
人間の肌の感覚は、周囲の空気中の気体分子数が同数なら、気温が高い=暑いとウェットに、涼しいとドライに感じられる。
その理由としては、以下の2点が考えられる。
(1)暑いと、発汗により、皮膚上を液体、水分の汗が流れるため、ウェットに感じられる。
(2)暑いと、時間当たり、空気中の同一数の気体分子群の肌に当たる回数が、涼しい場合に比べて多くなり、当たる密度が高く感じられるため、ウェットに感じられる。
このうち、(2)について、以下に詳しく説明する。
空気の気体分子が、皮膚に時間当たり当たる数は、分子数が同じならば、分子の運動エネルギーが高い、高温な方が、より多く当たる。肌に時間当たり分子が当たる密度が、高温な方がより多い。つまり、高温だと、分子群の皮膚に当たる密度が高い、濃いため、ウェットに(湿ったように)感じられる。
一方、涼しい場合、一定時間で皮膚に当たる分子の数が少なく、皮膚に当たる密度が低い、少ないため、ドライに感じると言える。
エアコンの除湿により、空間内の水の気体分子を除去して、屋外に排出することで、気体分子の分布密度を下げると、皮膚に当たる分子の数が少なくなり、当たる密度が低くなる。そのため、より温度が低くなったのと同じ効果をもたらし、皮膚に涼しさ、ドライさを感じる。
エアコンの冷房は、空間内の気体分子の運動速度を下げることで、時間当たり皮膚に当たる分子の数を減らす、ことをしていると考えられる。
気体分子が皮膚に当たる密度を下げるという点では、除湿と冷房は共通しており、エアコンで除湿すると涼しいと感じる原因となっていると考えられる。
逆に、暖房は、空間内の気体分子の運動速度を上げることで、時間当たり皮膚に当たる分子の数を増やすことをしていると考えられる。
また、冬場の加湿器による加湿は、空間内の気体分子の数を増やすことで、時間当たり、皮膚に当たる分子の数が増えて、より温かく感じる効果をもたらしている。
気体の分子運動の状態(分子の一定皮膚面積および一定時間当たりの分子の衝突数)と、皮膚によるウェット・ドライさの知覚とは、大きな関連があるということになる。分子衝突数は、分子が速いほど、分子数が多いほど、増加する。この衝突数が多いほど温かく(暑く)、ウェットに感じる。
| (1)分子の皮膚衝突 | 高密度、高頻度 | 低密度、低頻度 |
| (1a)分子数 | 多い | 少ない |
| (1b)分子速度 | 高速 | 低速 |
| (2)温度知覚 | 暑い、温かい | 涼しい(寒い)、冷たい |
| (3)乾湿知覚 | ウェット(湿った) | ドライ(乾いた) |
人間の皮膚には、これが適度、快適という、空気分子の衝突密度が予め存在し、それに合わせて、エアコンによる、空気の冷・暖房、加・除湿が行われていると言える。日本の夏が往々にして肌には不快なのは、太平洋高気圧配下のため、空気の湿度が高く、かつ高温なため、空気の気体分子の皮膚に当たる密度が高すぎる=ウェット過ぎるためと言える。
2005 大塚いわお
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