従来の理学辞書における気体・液体・分子間力などの定義

従来の理学分野において、気体・液体・分子間力などは、どのように定義されてきたのでしょうか?
筆者の手元にある理学辞書を中心にまとめてみました。


●物理学辞典 改訂版 1992 培風館

液体

巨視的な物質は気体、液体、固体のいずれかの状態で存在するが、液体の特徴は気体と同様に容器によって自由に形を変えるけれども気体と違って体積はほぼ一定なことである。気体の場合のように容器が密閉である必要はなく、また、液体を圧縮するには気体の場合よりはるかに高い圧力を必要とする。

微視的に見ると、液体の構成粒子である分子(あるいは原子)はまわりの分子(あるいは原子)とほぼ一定の距離を保ち、強い力を及ぼしあいながら運動している。

局所的に短時間では粒子は固体に似た配列をとり、それがくずれて別の固体的配置がまた形成されるものと考えられる。事実、短い時間内に起きる現象では、液体も固体のようにふるまう。


気体

巨視的な物質は気体、液体、固体のいずれかの状態で存在するが、気体の特徴は形が容器によって自由に変わるばかりでなく、容器に閉じ込めておかないと体積がいくらでも膨張してしまうことである。膨張しようとする圧力は、気体の体積が小さいほど、また温度が高いほど、高くなる。

気体のこのような性質は、気体を構成する分子または原子の運動エネルギーが非常に大きく、互いに及ぼしあう引力を振り切ってほとんど自由に飛び回るために現れるものである。

通常の気体のほかに、たとえば金属中で電流の運び手となる電子も同様の意味で気体を形成しているとみなすことができる。この場合には、原子核が電子に及ぼす電気的な引力によって、電子気体の膨張がくい止められているのである。


(c)1997 大塚いわお

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