温冷知覚法則
-分子、粒子運動サイドの視点から-

2005.10 大塚いわお


[法則]

人間は、

対象(分子、物体、人)が、多く(たくさん)接触すると温かく、少なく接触すると冷たく感じる。

人間の皮膚による温冷知覚メカニズムを、分子運動サイドの物理的視点から見た場合、以下のようになる。

分子、粒子が、一定面積の皮膚に一定時間当たり当たる数が、多いほど、温かく(暑く、熱く)感じる。
分子、粒子が、一定面積の皮膚に一定時間当たり当たる数が、少ないほど、冷たく(涼しく、寒く)感じる。

分子、粒子の皮膚に一定時間当たり当たる数は、
(1)分子、粒子速度(運動エネルギー)が、速い(大きい)ほど多く、遅い(小さい)ほど少なくなる。
(2)分子、粒子の数が、多いほど多く、少ないほど少なくなる。

それゆえ、
(1)分子、粒子の速度(運動エネルギー)が、速い(大きい)ほど温かく(暑く、熱く)、遅い(小さい)ほど冷たく(涼しく、寒く)感じる。
(2)分子、粒子の数が、多いほど温かく(暑く、熱く)、少ないほど冷たく(涼しく、寒く)感じる。

分子、粒子がたくさん当たる=温かい(熱い、暑い)と感じるのは、(1)分子や粒子が速い=運動エネルギーが大きい=温度が高い、(2)分子や粒子の数が多い=湿度が高い、場合といえる。

言い換えると、

(1)温度が高いほど、温かく(暑く、熱く)、遅い(小さい)ほど冷たく(涼しく、寒く)感じる。
(2)湿度が高いほど、温かく(暑く、熱く)、低いほど冷たく(涼しく、寒く)感じる。


空気の気体分子が、皮膚に時間当たり当たる数は、分子数が同じならば、分子の運動エネルギーが高い、高温な方が、より多く当たる。肌に時間当たり分子が当たる密度が、高温な方がより多い。高温で暑いと感じる場合、分子群の皮膚に当たる密度が高い、濃いため、同時にウェットに(湿ったように)感じられる。

一方、涼しい場合、一定時間で皮膚に当たる分子の数が少なく、皮膚に当たる密度が低い、少ない。そのため、涼しい場合、同時にドライに感じると言える。

エアコンの除湿により、空間内の気体分子を汲み上げて、屋外に排出することで、気体分子の分布密度を下げると、皮膚に当たる分子の数が少なくなり、当たる密度が低くなる。そのため、温度(分子の運動エネルギー)が同じでも、より温度が低くなったのと同じ効果をもたらし、皮膚に涼しさ、ドライさを感じる。
一方、加湿により、空間中の気体分子(水蒸気が気化)の数を増やすと、皮膚に時間当たり当たる分子数が増えるため、温度(分子の運動エネルギー)が同じでも皮膚では温かく感じる。


エアコンの冷房は、空間内の気体分子の運動速度(エネルギー)を下げることで、時間当たり皮膚に当たる分子の数を減らす、ことをしていると考えられる。

気体分子が皮膚に当たる密度を下げるという点では、除湿と冷房は共通しており、エアコンの除湿が涼しい、寒いと感じる原因となっていると考えられる。

逆に、エアコンの暖房は、空間内の気体分子の運動速度(エネルギー)を上げることで、時間当たり皮膚に当たる分子の数を増やすことをしていると考えられる。

気体分子が皮膚に当たる密度を上げるという点では、加湿と暖房は共通しており、加湿が温かいと感じる原因となっていると考えられる。


気体の分子運動の状態(分子の一定皮膚面積および一定時間当たりの分子の衝突数)と、皮膚による温冷、乾湿の知覚とは、大きな関連があるということになる。分子衝突数は、分子が速いほど、分子数が多いほど、増加する。この衝突数が多いほど温かく(暑く、熱く)、ウェットに感じる。

(1)分子の皮膚衝突 高密度、高頻度 低密度、低頻度
(1a)分子数、密度 多い 少ない
(1b)分子速度 高速 低速
(2)温度知覚 暑い、熱い、温かい 涼しい、寒い、冷たい
(3)乾湿知覚 ウェット(湿った) ドライ(乾いた)


人間の皮膚には、これが適度、快適という、空気分子の衝突密度が予め存在し、それに合わせて、エアコンによる、空気の冷・暖房、加・除湿が行われていると言える。


高い頻度や密度で自分に当たってくる相手は、物であれ、人であれ、より暑苦しく感じられると言える。

例えば、玄関の戸を「ドンドンドンドンドンドン・・」とたくさんひっきりなしに叩く訪問者と、「トン・・・・トン・・・」と少なく叩く訪問者と、住人にとってどっちが暑苦しく感じるかと言えば、前者であると考えられる。


上記法則は、人の皮膚知覚ばかりでなく、人間関係や人の性格にも当てはまる。

温かい(悪く言えば、暑苦しい)性格の人は、他人との当たりが多い。他人とたくさんコミュニケーション、相互作用、接触を図ろうとし、皆と一緒にいようとする。
冷たい(涼しい)性格の人は、他人との当たりが少ない。他人と余りコミュニケーション、相互作用、接触を取ろうとせず、一人、単独でいようとする。

例えば、周囲に対して頻繁にべたべた触り、働きかけ、たくさんしゃべろうとする人の方が、周りと少ししかしゃべらない人よりも、暑苦しく感じると考えられる。

この点、温かい(暑苦しい)性格の人は、ウェットであり、冷たい(涼しい)性格の人は、ドライであると言える。


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2005 大塚いわお

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