(c)2000.05-2005.09 大塚 いわお
我々の会話では、よく「Aさんは打算的で冷たい人だ」、「Bさんは思いやりのある温かい人だ」といったことが頻繁に出てくる。この場合、性格、人当たりの冷たさはマイナスに、温かさはプラスに取られることが多い。
従来、社会心理学では、「冷たい-温かい」の対人感覚軸について、従来から、その重要性が指摘されて来た。
例えば、 〔Asch 1946〕では、人の性格を表す特徴の中に、ある一言が入ることによって、その人物の全体的印象が大きく変わること、具体的には、「温かい」もしくは「冷たい」という形容詞を入れ替えただけで、その人物の最終的な全体印象に大きな違いが生れることが、指摘されている。この場合、人物の全体印象を決定づけるのに、「冷たい-温かい」の対人感覚軸が、「中心的特性」として、大きな影響力を持っているとされている。
このように、性格の温かさ、冷たさは、付き合う相手に与える印象に大きな影響を持っていると言える。付き合う相手と良好な人間関係を持ったり、相手に自分のことを肯定的に受け入れてもらうには、「温かい」性格を自分自身備えるように常日頃努力することが必要となってくる。
また、温かい性格を持つことで、自分が所属する集団・組織の緊張・ストレスをほぐして作業効率を向上させたり、医療・福祉施設などでの看護・福祉水準を向上させることができる効果がある。
以下の本文では、相手に温かい感じを与える対人関係がどのようなものであるかを、7つの原則と、詳細なチェックリストの形にまとめて提案している。
「温かい」人間関係とはどのようなものであるか。それを探るために、既存の人間同士の関係における、温かさを実現するための、様々な社会関係のあり方や社会的相互作用のための技術(ソーシャル・スキル)を以下にまとめた。
温かさの源泉となる社会関係や活動には、
1a)友人、恋人(恋愛)、家族関係
1b)血縁、地縁~通信で互いにつながれた共同体(コミュニティ)関係
2)看護、保育、福祉、カウンセリングといった、職業活動
3)ボランティア、寄付、募金、歳末助け合いといった、社会活動
があげられる。
これらについて、以下に、詳しく説明する。
(1)友人・恋人・家族関係
(1a)友人関係
友人関係の特徴は、[Thibaut,Kelly 1959]によれば、好意の相互性、[Heys 1988]では、相互の引き付合い、自発的相互依存、いっしょにいると楽しいこと、[Wright 1974]では、親密さ、愛情、相互援助、とされている。
また、友人のルールとは、[Argyle,Henderson1985]によれば、自発的援助、相手のプライバシーの尊重、約束を守ること、相互信頼、相手のいないときに代役をする、相手を公の場で非難しない、といったものとされる。
友人関係の親密度の判別には、[中村 1989]によれば、
1)自己開示(自分の趣味や関心事について話す、個人的な問題や悩みについて打ち明ける)
2)相手の評価的行動(何事につけ気をつかう、何かにつけ相手を喜ばそうと努める)
3)自分と友人の近接性行動(会うのに多くの時間を当てる、何かにつけ相手を誘う)
4)相手に対する謝恩感情(負い目を感じる、すまない)
5)関係関与性(友人との関係の持続を望む程度、自分が友人との関係に深くかかわっている程度)
といった項目が説明力を持つとされる。コンピュータのインタフェースをより友情ある(友人関係に近い)ものとするためには、こうした項目で高得点をあげるようにすればよい、と考えられる。
あるいは、友人関係を緊密なものにする条件は何か、緊密性(closeness)はどのようにして表出されるかについては、[Parks & Floyd 1996]が明らかにしている。同性、異性の友人関係における緊密性の定義として頻繁にあげられた要素には、
1)自己開示(互いにどのようなことでも話す)
2)援助とサポート(互いに助け合う、互いにそばにいる)
3)共有された関心と活動(共通の背景、興味関心、嗜好、価値、信念、活動を持つ)
4)関係的表出(緊密性や関係の価値について、表出する)
があったとされる。
(1b)恋愛関係
恋愛(Romantic Love)関係は、上記の友人関係が、異性間のものだった場合に、より強められた形で出てくるもの、と考えられる。
恋愛関係の特徴は、[Rubin 1970]によれば、(1)親和・依存欲求(一緒にいたいなど)がある、(2)援助傾向(相手が落ち込んでいたら、元気づける)、(3)排他的感情(相手を独占したい)、といった点にあると考えられる。
(1c)家族関係
家族関係は、上記の恋愛感情を通過して、結婚した者同士の関係(夫婦関係)、夫婦が子供を作って育てる際に生じる関係(親子関係)、子供同士の関係(兄弟姉妹関係)に分けられる。
夫婦間の心理は、恋愛関係時に比べて、より制度化・固定化されて、安定している。
親子間・子供間の心理は、血のつながりがある点、相互の同一性が高く、自然と打ち解けた、遠慮のいらない関係ができあがる。
(2)共同体(血縁、地縁~通信による結びつきによる)
共同体は、社会学では、ゲマインシャフト、コミュニティ(MacIver,R.M.)などと呼ばれてきたものである。
[Toennies 1887]によれば、共同体の中では、人々は、全人格をもって感情的に互いに融合し、親密な相互の愛情と了解の下に運命を共にする、とされる。
こうした相互の親密さ、感情的融合、愛情などが、共同体の心理の特徴といえる。これらの心理が、人間に「温かさ」を感じさせるものになっていると考える。
(3)看護・保育・福祉・カウンセリング
看護婦(看護士)、保母(保育士)、ソーシャルワーカー、カウンセラーの役割は、病人や幼児など、弱い、手助けを必要とする相手に援助の手を差し伸べることにある。
こうした弱者支援は、弱者に対する温かい思いやりが前提となり、その点で、人に対する温情が存在すると考えられる。
(4)社会活動(ボランティア、寄付・募金など)
寄付や援助などの社会活動の根底にあるのは、困っている人を助ける(援助する)することで、人の役に立ちたい、という考え方である。すなわち、自分が他人に助けられた時、人の心の温かさに触れる思いがしたので、その温かな感じを、少しでも多くの人に分け与えたい、などといった、人に対する温情と直結した動機が、そこには含まれると考えられる。
こうした温かな人間関係をもたらす心理的な背景としては、
(1)心理的近接
他者が、心理的に、自分のすぐ近くにいることを感じられる時、他者の体温を、より身近に「温かく」感じられる。したがって、他者の行動を「温かく」感じる。
心理的な近さは、他者が、自分と共通・同一の考え方を持っていると近く、自分と異質・反対の考え方を持っていると遠く、感じられる。
(2)環境適応=体温維持への貢献
他者の行動が、自分の体温維持=生命維持(生存)に貢献する(役立つ)場合に、他者のことが温かく感じられる。すなわち、他者の行動が、自分の環境適応(環境の中で生き延びること)に役立つ場合、他者について「温かい人だ」という感じが得られる。
他者(例えば親や友人)が、自分と反対の意見を述べても、それが、自分のためを思っての意見だったと理解した場合には、温かく感じられる。
といった点が考えられる。
こうした点からは、性格の温かさ・冷たさは、人間の体温感覚と深い関係がある、と言える。心理的に他人の体温の温もりを感じることができると「温かい」と感じ、そうでないと「冷たい」と感じる。
温かな人間関係は、人間がよりよい条件で生存していくために、互いに協力しあって行く上で、その心理的な基盤となるものであり、人間らしいhumanな気持ちを保持する上で、欠かせない。
温かい人間関係が構築されることによって、人間は、より心理的に安定し、他者に対して、友好的な心理的傾向を強め、ひいては、厳しい自然環境下を生き延びていくために必要な協力(思いやり)行動を、自ら進んで積極的に行うようになると考えられる。従って、温かい人間関係は、人間の生存・増殖の可能性を増大させる行動を取らせる上で、効果があると考えられる。
それゆえ、温かい性格の持ち主は好かれ、冷たい性格の持ち主は遠ざけられることになる。
(1)「温かい」認知との関連
[海保 etal. 1997]では、認知心理学において、従来の人間の知的側面に焦点を当てたアプローチを「冷たい」ものと捉え、それと対比する形で、人間の感情に焦点を当てたアプローチを、「温かい」認知として、捉えられることを明らかにしている。この知見からは、人間が豊かな感情(喜怒哀楽)を備えていることが、性格の温かさにつながる、と考えられる。
(2)親和欲求との関連
社会心理学における、人間の持つ、他人と一緒にいたい、という欲求、すなわち「親和欲求」の概念と、心理的温かさとの関連を考えた場合、他者と心理的に近くにいることで、他者の温もりを感じることができる、ということが想定される。他者への好意や心理的な接近を図ることが、心理的な温かさを、周囲に与えることにつながる、といえる。
(3)コンサマトリ(cosummatory)コミュニケーション
[磯崎 1995]によれば、人間同士のコミュニケーションには、
1)道具的(instrumental)コミュニケーション 目標達成の手段としてのコミュニケーション
2)コンサマトリ(consummatory,自己完結的)コミュニケーション 緊張解消などコミュニケーションを行うことそれ自体が目的であるコミュニケーション
とがある、とされる。
互いに温かい心の通い合った関係では、互いに話をしたり、一緒にいること自体が楽しく、幸せに感じられるものである。その点、コンサマトリ・コミュニケーションが成立することと、人間関係の温かさとの間には大いに関係があると言える。
(4)人間関係の「対等さ」との関連
人間同士の間に、温かな関係が構築されるには、両者の間での、関係・権利上の対等さが必要であると考えられる。互いに、相手を平等に認め合う、権利を尊重し合うといった気持ちがないと、一方が他方を一方的に、利用・搾取する、「冷血的」な関係に陥るからである。
温かい人間関係の構築には、互いに相手のことを、自分と対等に思いやる、温かい気持ちで接する、という、「温かさの相互性・対等性」といったものが必要となる。
(5)「ソーシャル・スキル」との関連
「温かい」社会関係や活動の根底には、人間的な温もりや共感などを構築・維持しようとする「ソーシャル・スキル」が働いているものと考えることができる。
ソーシャル・スキルとは、[相川 1995]によれば、対人場面において、他者との関係が肯定的となるように、相手に効果的に反応するための対人行動、と定義される。これを、コンピュータと相手との関係に置き換えた形で再度まとめなおすと、以下のようになる。すなわち、コンピュータが相手に対して持つべきソーシャル・スキルとは、
コンピュータ使用場面において、コンピュータと相手との関係が肯定的となるように、コンピュータが相手に対して効果的に反応するための対人動作、のことを指す。
ソーシャル・スキル自体は、単に、対人関係のうまさ(上手さ)、そつのなさといった、対人関係技術の側面を表す言葉としても用いられるので、対人関係の温かさそのものを、表しているわけではないことに注意する必要がある。
ソーシャル・スキルにおいては、対人関係維持や、他者との共感的・援助的かかわりに関するスキル項目が、温かさに関係ある、と考えられる。
「温かさ」に関係のある、具体的なソーシャル・スキル項目は、
1)[菊地、堀毛他 1994]にあげられている100のソーシャル・スキルリストの一部、
2)[庄司他 1990]の子供の社会的スキルを測定する尺度のうち、共感・援助的かかわりに関する部分、
3)[Buhrnmester et al 1988][和田 1991]における社会的スキル尺度のうち、関係維持に関する部分、
4)[菊地 1988]における、思いやりに関する尺度である、KiSS-18尺度の全部
である。
以上の内容を踏まえて、具体的に、どのような内容を持った対人関係が、「温かい」と呼べるのか、について、以下の表にまとめた。
| 1. | 好意・接近 | 相手に対して、好意を持って接近し、親密な関係を構築しようとする。 |
| 2. | 愛着 | 相手との間に構築した、親密な関係(親近感、一体感)を維持する。 |
| 3. | 援助・ケア | 相手の幸福が向上するように援助を行う。相手に対する思いやりや配慮を欠かさない。相手に親切にする。(自分のことを考えると同時に、相手のこともきちんと考える。) |
| 4. | リラックス・安心 | 相手の緊張を解除する。相手を安心させる。 |
| 5. | 受容・共感 | 相手のことをあるがままに受け入れる(相手のことを肯定する)。相手と共感を持つ。 |
| 6. | 豊かな感情 | 表情など複雑で豊かな(単調でない)感情を、相手に対して表出する。 |
| 7. | 無償の奉仕 | 損得勘定抜きで、対価や利益を求めることなく、相手に対して有益なことをしようとする。ボランティアをする。 |
上記の項目(必要条件)を満たした対人面での性格が、相手に温かさを与える、と考えられる。
これらの項目が「温かさ」を持つ理由は、究極的には、
| (1)心理的近接 | 心理的に、相手の近くにいようとする。 |
| (2)環境適応への貢献 | 相手の生存を助けようとする。 |
の2項目にまとめることができる、と考えられる。
(付記) 「冷たい」性格について
従来、ビジネスの世界においては、対人関係を何らかの目標達成の手段・道具として捉える視点に立ち、さまざまな利益計上や効率追求などの目標・課題達成しやすさ、すなわち生産性の向上に主眼を置いていた。
しかし、こうした見方では、対人関係は、ビジネスライクな感じのする、冷たくドライな感覚で結ばれることになりがちである。こうした対人関係は、間に温かい血潮が通い合わない、「冷血(cold-hearted)」関係とでも呼ぶことができる。この場合、冷たさの原因は、自分の利益のみを考えて、他人の利益や福利厚生に思いが至らない、自己中心的な打算に基づく、という点にあると考えられる。
こうした対人関係の冷たさは、大きく分けて、「道具的冷たさ」と、「論理的冷たさ」「知的冷たさ」の3通りに分類することができる。
「道具的」対人関係は、対人関係を、何かをするための手段・道具としてしか見ようとしない視点で作られた関係である。
この関係は、一方の人間が、仕事で最大限の成果をあげるために、他者を、自分の部下・手足として、可能な限り、思いのままにこき使うことを前提としたものである。そこには、対人関係を、一方的な支配-従属(隷属)関係で結ぼうという考え方が見て取れる。こうした対人関係からは「道具的」冷たさが生じる。
「論理的」対人関係は、全てを、0か1か、「はい」「いいえ」、「合法である」「違法である」の論理に還元することを通してしか捉えることのできない、従来のコンピュータ技術者や法律を駆使する役人などに見られがちな関係のあり方である。その特徴としては、融通が効かない(杓子定規である)、感情がない(抑揚がない)、応答が単調である(ワンパターン、同じ動作を繰り返す)、感触が固く冷たい(金属的である、
ソフトさに欠ける)、といった点があげられる。こうした対人関係からは「論理的」冷たさが生じる。
「知的」対人関係では、人々は、人間の奥底にある感情的な側面を押し殺し、知識のみを取り出して、互いに「冷静に」やりとりしようとする。そこでは、人間の知的な能力を向上させることに専ら関心が行き、人間同士の情緒的な結びつきといった側面に関心が向かない。そのため、対人関係は、知的に洗練されてはいるが、冷たくてドライなものとなる。こうした対人関係からは、「知的」冷たさが生じる。
こうした 「冷血的」関係は、[Toennies,F.,1887]の理論からは、「ゲゼルシャフト(gesellschaft)」とも呼ぶことができる。Toenniesによれば、ゲゼルシャフトとは、諸個人が互いに自己の目的を達成すするために形成した社会関係のこと
を指し、その関係は、人工的機械的であり、そこでの人間同士の結合は、人格のごく一部のみをもってする結合である。そこでは、人々は利害や打算に従って行動し、返礼や反対給付が必要となる。また、このゲゼルシャフト的社会関係においては、人々は、表面的にはいかに親密に振る舞うとしても、なお不断の緊張関係におかれ、あらゆる結合にもかかわらず本質的には分離している、とされる。
以上の内容を踏まえて、具体的に、どのような内容を持った対人関係が、「冷たい」と呼べるのか、について、以下の表にまとめた。
| 1. | 嫌悪・無視 | 相手のことを嫌悪を持って避けよう、無視しようとする。 |
| 2. | 疎遠 | 相手と近づこうとしない状態を維持する。 |
| 3. | 非援助・不親切 | 自己中心的である(自分さえ良ければ、他人はどうなっても構わない)。相手に対して嫌がらせを行ったり、当然すべき援助を行わない。相手に対する思いやりや配慮をしない。相手に不親切にする。 |
| 4. | 緊張・不安 | 相手を緊張させる。相手を不安にさせる。 |
| 5. | 拒否・相違 | 相手のことを受け入れようとしない(相手のことを否定する)。相手と共感を持たず、意見が違うことを強調する。 |
| 6. | 感情の欠如 | 知的で論理的だが、表情や発話に感情がこもっていない。 |
| 7. | 打算・ビジネスライク | 相手が自分に(主に金銭、労力的な)利益(儲け)をもたらす限りにおいて相手と付き合う。相手との付き合いが損得勘定に基づいている。自分にとってビジネス、得にならない相手を容赦なく切り捨てる。 |
上記の項目(必要条件)を満たした対人面での性格が、相手に「冷たさ」を与える、と考えられる。
これらの項目が「冷たさ」を持つ理由は、究極的には、
| (1)心理的離反 | 心理的に、相手から離れようとする。 |
| (2)環境適応への不貢献、障害化 | 相手の生存を助けようとしない(じゃましようとする)。 |
の2項目にまとめることができる、と考えられる。
(付記)web質問票調査による確認
上記の、温かい・冷たい性格についての記述が、実際に温かい・冷たいと感じられているかどうか確かめるwebを用いた調査を行った。
具体的には、「温かい」「冷たい」性格についてのアンケートと称して、筆者のwebサイトに心理テストを体験しに集まってくる利用者に、「次の調査に回答してくれたら、心理テストが出来ます」という関所を設け、その関所のところで、「以下の性格を記した左右の文章の対を読んで、「より温かい」と思う方を選択して下さい」と回答を求めた。
合計で200名程度の回答を得て、以下のように分析した結果、上記の、温かい・冷たい性格についての記述全てが、実際に温かい・冷たいと感じられていることを確認できた。
回答時期
2005年09月中旬
回答数 202
男 29.208%
女 70.792%
10代 48.515%
20代 30.693%
30代 12.871%
40代 5.446%
50代 2.475%
60代 0.000%
70代 0.000%
回答比率
| 〔温かい-冷たい〕 | |||||||
| 番号 | 項目内容 (仮説適合) |
-温かい- | どちらで もない |
-温かい- | 項目内容 (仮説不適合) |
-Z得点- | 有意 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 他人に好意を持って接近しようとする | 73.762 | 17.327 | 8.911 | 他人を無視しようとする | 10.137 | 0.01 |
| 2 | 他人と親密な関係を保とうとする | 66.337 | 18.812 | 14.851 | 他人と疎遠であろうとする | 8.121 | 0.01 |
| 3 | 他人に対して援助を行う | 70.792 | 20.792 | 8.416 | 自分さえ良ければ、他人はどうなっても構わない | 9.961 | 0.01 |
| 4 | 他人を安心させようとする | 81.683 | 15.347 | 2.970 | 他人を不安にさせようとする | 12.159 | 0.01 |
| 5 | 他人と共感を持とうとする | 58.911 | 27.723 | 13.366 | 他人と意見が違うことを強調しようとする | 7.614 | 0.01 |
| 6 | 豊かな感情を他人に対して示す | 66.832 | 22.277 | 10.891 | 他人に対する表情や発話に感情が伴わない | 9.018 | 0.01 |
| 7 | 他人に対して、損得勘定抜きで有益なことをしようとする | 63.861 | 27.723 | 8.416 | 自分にとって得にならない他人を容赦なく切り捨てる | 9.269 | 0.01 |
1-7について、全ての項目で、当初「温かい」と予測した側の文章が、統計的に有意に、より多く「より温かい」として選択された。
相川 充 1995 ソーシャル・スキル 小川一夫監修 改訂新版 社会心理学用語辞典
北大路書房
Argyle,M. Henderson,M. 1985 The Anatomy of Relationships Penguin
Books Harmondworth
Asch,S.E. 1946 Forming impressions of personality : Journal of Abnormal
and Social Psychology, 41,258-290
Buhrnmester,D.,Furman,W.,Wittenberg,M.T.,& Reis,H.T. 1988 Five
domains of interpersonal competence in peer relationships. Journal of Personality
and Social Psychology, 55,991-1008
Davis,M.H. 1994 Empathy -A Social Psychological Approach- Westview
Press (菊地章夫 訳 共感の社会心理学 -人間関係の基礎- 1999 川島書店)
Hays, R.B. 1988 Friendship (In Duck, S. (ed.) Handbook of Personal
Relationships Wiley Chichester
磯崎三喜年 1995 コミュニケーション 小川一夫監修 改訂新版 社会心理学用語辞典
北大路書房
海保博之(編) 1997 「温かい認知」の心理学 金子書房
菊地章夫 1998 また思いやりを科学する 川島書店
菊地章夫、掘毛一也(編) 1994 社会的スキルの心理学 川島書店
諸井克英、中村雅彦、和田実 1999 親しさが伝わるコミュニケーション -出会い・深まり・別れ-
金子書房
中村雅彦 1989 大学生の友人関係の発展過程に関する研究(I)-関係性の初期差異化現象に関する検討
日本グループダイナミクス学会第37回大会発表論文集
Parks,M., Floyd,K. 1996 Meanings for closeness and intimacy in friendship.
Journal of Social and Personal Relationships, 13,85-107
Rubin,Z. 1970 Measurement of Romantic Love, Journal of Personality
and Social Psychology, 16, 265-273
庄司一子、小林正幸、鈴木聡志 1990 子供の社会的スキル-その内容と発達
日本教育心理学会第32回発表論文集 283
Thibaut,J.W., Kelley,H.H. 1959 The Social Psychology of Groups. Wiley
New York
Toennies,F., 1887 Gemeinschaft und Gesellschaft, Leipzig(杉之原寿一訳
1957 ゲマインシャフトとゲゼルシャフト 岩波書店)
和田実 1991 対人的有能性に関する研究-ノンバーバルスキル尺度および社会的スキル尺度の作成-
実験社会心理学研究 31 49-59
本文で述べた、温かい人間関係をもたらす「温かい性格」について、「こういうふうにすると温かい感じを周囲に与えることができる」という対人関係上のチェック項目群を抽出した。
抽出に当たっては、上記の、温かさの源泉となる各社会関係や活動のあり方、ないしその基礎にあるソーシャル・スキルから、温かさを与える本質に当たるルールを、1人ブレインストーミング形式で取り出す、という方法を取った。
抽出・作成した項目を、まとめの内容に従って、分類した。
1.好意・接近
2.愛着
3.援助・ケア
4.リラックス・安心
5.受容・共感
6.豊かな感情
7.無償の奉仕
こうして抽出した項目を、さらに、
1.相手が相手とコミュニケーションを開始する時、
2.相手がコミュニケーションをしている最中の時、
3.相手がコミュニケーションを(切りのよいところでいったん)終了(中断)した時、
の3段階に分けて整理した。
以下に、今回抽出・整理した、「温かい性格」を実現するための簡便なチェック項目の一覧を、列挙する。
表中、「○○さん」というのは、相手の名前である。