○個人主体の社会学の必要性

個人主体の、個人が主人公の社会学が必要である。
「社会」という固まりが個人に影響を及ぼすのではない。
社会は、実際には、様々な役割や機能を持つ個人間の連携プレイとして捉えられる。社会の動きは、個々人のプレイヤーにばらして捉えることができる。

例えば、テレビの影響は、

事件を起こした人
事件を見ていた人
取材者
編集者
アナウンサーと、放送機材操作者
といった人々の連携プレイで捉えることができる。これは、複数プレーヤの協力行動を、時系列で図示したものとなる。

様々なプレーヤが、各々周囲の他プレーヤに対して自分の影響力を及ぼそうとする。それは、情報伝達や、文化ウィルス感染のように、自分自身で得た情報を知らせたいとか、自作の作品やアイデアを広めたいといった動機に基づくものである。「○時○分に○があった」といった、出来事、イベント、エピソードに関するもの、「こう動けばよい」といったノウハウに関するもの、「こうすべきだ」という意見に関するものに分かれる。
社会の動きを、各プレーヤまで、個人個人の動きまで分解・分析して、大きな模造紙に大地図のように、各個人プレーヤの動き、機能の連鎖を書き出すことが可能なはずである。

社会を動かす個々人を、粒子、分子に見立てることで、人間~生物社会の動きを、個別のプレーヤに分解して、複数分子の運動のように、各プレーヤの運動の集合体として、社会を捉える。
社会活動、行動、業務といったものを、パーツに分けて、プレーヤが他のプレーヤに、どのような情報や文化を順に働きかけていくか、「→」で表現して、時系列で図示していく。これは、個人の行動を主体とする「社会行動図(業務行動図)」とでも呼べる。この社会(業務)行動図を、パターン化、部品化して、うまく働く部品を組み合わせることで、社会~業務全体を構築する。社会(業務)行動図は、あくまでプレーヤである個人の粒々が中心である。

従来の社会学において、社会の動きとして、それ以上分割不可能な大きな固まりの動きとして捉えられてきたものを、社会を構成する個人プレーヤ毎の運動に分解して捉えることが可能であるとする見方を取る。

分子生物学は、生命の働きを個別遺伝子に分割することで伸びてきた。それと同様に、要素還元アプローチの社会学は、社会の働きを、個別の個人(粒子)に分割した上で、個人間の相互作用を見ることで、解明しようとする。


2005-2006 大塚いわお

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