○「文化プール」との関連について

人間の頭の中には、自分自身が考え出したアイデアや、先祖や親から教えられたり、学校で習った、他者由来の様々な行動様式、文化が入り込んで、記憶されて、たまっている。そうした点、人間の頭の中、すなわち神経系は、文化素子(文化の最小単位)群の容器であり、文化素子群をためる「プール」としての役割を果たしていると言える。神経系のこうした側面は「文化プール」という言葉で呼び表すことが可能である。神経系にたまった文化素子群は、コミュニケーションを通じて、他者の神経系へと、そのコピーがどんどん流出していく。

今までの社会学では、神経系は、個人に閉じた心理を発現するものに過ぎない、社会的でないとして、分析対象から外されてきた。しかし、神経系のこうした、他者とやりとりする文化をためる「文化プール」としての働きを考えれば、神経系の働きは、社会学の対象と十分なりうると言える。


2005-2006 大塚いわお

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