ゲーム主人公の性格付けについて

現状のTV・パソコン用ビデオゲームは、主人公の性格が、ゲームメーカー側からのお仕着せとなっており、利用者は、メーカーによって予め決定され強制された性格を持つ主人公を、ゲーム中演じなければならない事態を招いている。例えば、ていねいな態度を好む利用者がゲームをしている最中に、ゲームの中での主人公が、他者との対話の中で荒っぽいがさつな態度を示すようだと、利用者はゲーム中の主人公に対して、「彼は所詮自分とは違う人格だ」と考えて感情移入できず、つまらないと感じるであろう。こうした利用者の性格と、ゲームの主人公の性格との間に矛盾が起きている状態は、克服されなければならない。

この問題を解決するには、主人公の性格を利用者に合ったものにする必要がある。具体的には、主人公の性格を、予め自分に合ったものに、自由に設定できるようにすることが考えられる。例えば、内向的とか、几帳面とか、慎重とか、予め設定しておくと、その性格に合った対話選択肢がゲーム中に出るようにする。

上記の、(利用者がなりきろうとするところの)主人公の性格設定を利用者側で決められるようにすることを実現するには、以下の問題点をクリアしなければならない。

1)主人公のせりふ決定に当たって、「こういう性格の人は、この場面で、こういうことを考えたり、言ったりするはずだ」という、性格心理学上のデータを予め用意しなければならない。要するに、ゲーム中各場面毎の適切なせりふ設定のための理論的根拠・裏付けが必要となるわけであるが、ゲームメーカーがこの目的で心理学者を雇い入れる意気込みがあるかどうかが問題である。

2)用意する性格の数だけ、主人公のせりふのヴァリエーションを増やさなければならない。例えば、会話を、場面毎、主人公の性格毎に分類しておき、ゲームの筋書きに従って、そのデータベースの中から適切な(主人公の)発言内容を取り出すことができるようにする、会話内容のデータベース化が必要となると考えられる。既存のゲームメーカーは、こうした、せりふ数・種類の多様化といった負担に耐えられるであろうか、ということが問題となる。

こういったことが無理ならば、せめてゲームの外装パッケージ上に、「このゲームの主人公は、○○的な性格です。」などと予め示すべきであろう。



(c)2001.3 大塚いわお


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