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環境適応的機能理論

-人間~生物の環境適応と、「機能」概念との関係について-

2004/10/23版   (c)1998-2004 大塚 いわお


[簡単な紹介]

「環境適応的機能理論」は、従来の社会学などで扱われてきた機能主義理論に、人間~生物と「環境」との関わりについての視点を新たに導入して出来上がった、新しい理論です。

「環境適応的機能理論」では、「機能」を、「個々の生物~人間の、環境適応(生き延びること)に役立つ働き(をするもの)」と捉えます。

「環境適応的機能理論」の特徴は、
 
(1) 社会を分析する単位を、個人に置く、個人主義的な考え方を取っています。個人が、環境によりよく適応するために、社会を生成・分化させ、さらには変動させていく、そのダイナミズムを、研究対象とします。
(2) 「環境適応水準向上圧力(EALIP)」という力が、もともと個人に備わっており、その力が、 社会の生成や、機能分化、変動を引き起こす原因となっている、と説明します。
(3)  「環境=機能分析」という考え方を新たに提供することで、機能分析とは、人間のさまざまな行動や文化が、どのような機能を持つか=いかに環境適応に役立っているかを、分析するものである、と捉えます。
(4) 「機能交換」という考え方を導入することで、人間の環境適応にとって、社会的分業や市場・貨幣がなぜ必要となるかを、簡単に説明できるようにしています。

などです。

「環境適応的機能理論」は、従来の社会学や生態学における機能主義(T.Parsonsなどによる)が陥った、現状維持的・保守的で、社会や生態系の変動を有効に説明できない、という致命的な欠点を、克服することを目的としています。具体的には、個々人に内在する「環境適応水準向上圧力(EALIP)」が、絶えず社会の現状を打破して、さらなる環境適応水準の向上のための社会変動を、人間に目指させる、と考えます。


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[目次]

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[機能編↓]
はじめに 従来の主な機能主義の流れとして、心理学的、生物学的、社会学的、生態学的の4つがあることを示します。
環境適応と機能 環境適応の視点からは、「機能」は、「個々の生物~人間個人の環境適応に役立つ働き(をするもの)」、個体の環境適応の度合いを向上させるもの、人間を環境の中でより生き残りやすくさせるのに役立つ働き、として捉えることができます。
環境=機能分析 環境適応的機能分析(環境=機能分析)は、各機能が、諸個人の環境適応にいかに役立っているかを記述します。
環境適応水準 環境適応水準とは、人間を含む生物が、環境に適応して生存して行ける度合いを示す指標であり、高いほど、生き延びやすい。人間~生物には、この水準を向上させようとする圧力(環境適応水準向上圧力=EALIP)が内在していると考えられます。
機能生成と消費 環境適応的機能理論の視点では、人間が行う生産・消費の対象を「機能」と捉えます。モノ自体ではなく、モノの中に含まれる機能こそが、生成・消費のターゲットである、と考えます。
社会的分業 社会的分業は、環境適応的見地からは、各人が別々の機能生成をそれぞれ担い、互いにそれらの機能同士をリンクさせて、より高度なひとまとまりの機能として実現させる=各人が別々の機能生成に専門化することで一つ一つの機能生成のために投入される作業の質を高めることで環境適応の水準を高める、ものとして捉えられます。
機能交換 人間の環境適応に必要な多くの機能は一人だけでは賄い切れません。また、各機能の生成者が特定の機能を生成することに専門化することで、各機能の有効性・性能をより向上させる必要があります。従って、各個別機能生成に特化した者同士の間で、他者との機能交換が必要になってくる、と考えられます。
機能分類 機能は、正~逆、物理的~生理・心理的、自然的~人工的、本質的~装飾的などと、分類可能です。
[社会編↓]
社会生成 環境適応的機能理論では、個人は、自らの環境適応水準向上のために、他者と互いに自らの生成した機能を交換し合うことを目的として社会を作る、と考えます。
社会構造 社会構造は、人と人との間の機能生成・交換・消費関係のうちの変化しにくい安定化した部分を指す、と捉えることができます。
社会変動 社会変動は、個人が、より高い環境適応水準を求めて、既存の機能生成・消費・交換パターンを、新たなものに変革しようとして起こる、と考えられます。
社会規範 社会規範は、皆が高い機能を生み出す行動を取るように、あるいは、環境適応水準を下げる行動を互いに避けるように、人々の行動を揃える働きをします。
役割 役割は、個人が果たすところの、予め(機能ネットワーク全体の中から)分割された、機能生成を行う活動の束です。
労働 労働は、他者に(十分な環境適応のために必要な)機能を提供するために、時間・手間をかけて行われる、一連の作業のことを指す、と考えられます。
福祉 福祉は、機能余剰者が不足者に余った機能を回すことと考えられます。
小Topics 地域社会、システムサイズ、文化、権力、戦争について述べています。
[応用編↓]
各分野への応用 経済、教育、理工、心理、宗教分野への応用事例を載せています。
その他

 



[凡例]

●は、補足説明の項目を示します。



[改版履歴] 2000.2.20~
 
2004.10.23 要求工学、価値分析との関連に関する記述を、新たに付け加えました。文章を読みにくくしていた背景画像を除去しました。
2003.11.5 生物学的機能主義との違いに関する記述を、新たに付け加えました。
2002.7.7 従来、本論の内容を表すものとして付けていた「生態学的機能主義」という名称を、既存の理論との重複を避けるため、「環境適応的機能理論」に変えました。従来の生態学的機能主義に関する説明を新たに加えました。
2000.9.6 ファイルを、機能編、社会編、応用編の3つに分割しました。
2000.4.7 自己拡大圧力に関する記述を、新たに付け加えました。
2000.3.17~23 社会変動の類型を分類する記述を、新たに付け加えました。
2000.3.13~16 環境適応水準、社会構造、生理・心理システムについてのイメージ図を、新たに付け加えるとともに、記述を改訂しました。
2000.3.5 心理システムの変動などに関する記述を、新たに付け加えました。
2000.2.29~3.1 題名、簡単な紹介、環境適応水準向上圧力(EALIP)、文化に関する記述を、改訂しました。
2000.2.27~28 生命有機体システムと社会変動との関連などに関する記述を、新たに付け加えました。
2000.2.24~25 従来の社会システム理論との相違点などに関する記述を、新たに付け加えました。
2000.2.21~23 全体の記述を、表形式にして見やすくしました。各所の記述ミスを訂正しました。
2000.2.20 環境=機能分析(ビデオデッキの機能分析)欄の内容を増強した他、各所の記述ミスを修正しました。


 (C) 1998-2004   大塚 いわお

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