コンテンツ無料視聴に関する検討
-ローカル保存・コピーコンテンツの視聴と広告自動配信について-

2003.04-2003.11 大塚いわお


この文章は旧版です。新版へのリンクはこちらです。


1. コンテンツ配信の現状

本文は、ビデオ、音楽、電子書籍などといった、いわゆるコンテンツの視聴の無料化と、コンテンツ著作者への著作権料支払いとの両立を図る方法の一つについて提案するものである。

現状では、コンテンツの視聴は、放送にせよ、ネット配信にせよ、著作権者側の都合ばかりが考えられている。

従来、コンテンツを、ファイル交換ソフトなどを使って無料でローカルに保存、コピーしたり、保存したデータを2次的にばらまくことは、著作権者の権利を侵害するものだとして、場合によっては法律違反として訴訟の対象とされてきた。そのため、視聴者側の「見たいものを無料で見たい」という素朴な欲求はかき消されがちであった。

また、例えば、ネットによるビデオ配信では、コンテンツが、視聴者側で簡単にローカルに保存することができないため、裏ツールの使い方を知らない普通の視聴者は、配信側で配信を打ち切られると、なすすべがない。視聴者に、見たいコンテンツを見たいときいつでも見られるという、「見る権利」を与えるべきである。

これは、ビデオ、DVDや電子書籍にも当てはまることであって、何らかの形でコンテンツが品切れになって入手不可能となると、視聴者に残された道は、中古品の入手やコピーに頼ることだけである。しかるに中古品のコンテンツ入手に当たっては、現状では、肝心の著作権者に対価が回らない。儲かるのは中古販売店のみであり、彼らは、他人の著作物の上にただ乗りをして生活する寄生虫のような存在である。一方、ファイル交換のような無料のコンテンツコピーも現状では、著作権者には対価が回らない。こうした著作者に対価の回らないコピーが大量に出回りやすく、正規の著作物を駆逐してしまう。

本来、著作権者にとっては、自分の作品がなるべく広範な視聴者に受け入れられること(、そして視聴者から対価をもらうことでそこそこの生活ができること)が望ましいはずである。

その際、著作権者にとっては、コンテンツが視聴者に見られる度に、その対価となる料金を、視聴者から回収したいと思うのはごく当然の心理である。しかし、現状では、コンテンツがいったん視聴者のもとにローカルに保存・複製されてしまうと、そこから視聴料金を新たに回収するのは不可能である。

そのため、DVDソフトとかでは、コピープロテクトを施して、視聴者がローカルにコンテンツを無料で保存・複製するのを防ごうとしているのであるが、それが逆に災いして、せっかく作られたコンテンツの内容が、コピーを通して大勢の視聴者に知られる機会を逃す結果を生み出している。また、著作権料をダイレクトに現金で回収しようとするため、DVDとか、コンテンツが高価で、とても普及するような、気軽に見られるような価格ではなくなってしまう。例えば、アニメなど、30分5000円みたいな高価で手に届きにくい値付けの商品が横行することになる。

要するに、現状のコンテンツ流通のしくみでは、視聴者側の、いつでも好きなときに無料で見られるという根本的な欲求、著作権者側の、見られる度に視聴料金を新たに何度でも回収できる、という同様の欲求を満たすことができない。

これらの問題は、全て、視聴者がいったんローカルに保存したコンテンツからは、著作権料が徴収できないという点に起因する。この点を解決することで、視聴者と著作権者の双方にとってうれしい、利益となるしくみを作る必要がある。


2.解決すべき問題

視聴者によるコンテンツの視聴は、基本的に無料で行えるべきである。それは、(1)「試し視聴」を気軽に行って、自分の気に入った作品に出会う可能性を高めるため、(2)経済的負担を最小限に抑えるために必要である。
また、コンテンツの配信(放送、ダウンロード)が配信側で勝手に打ち切られても、視聴者側で引き続き見られるように、コンテンツの保存は、ローカルでできるようにすべきである。また、コンテンツの流布を促進するため、コンテンツのコピーも自由にできるようにすべきである。

一方、視聴者が只見ばかりして、著作権者が損をしないようにするために、ローカルにダウンロードしたコンテンツ視聴時にも、その都度、著作権者に著作権料が行くようにすべきである。


3.解決策

上記の問題を解決するためには、ローカルにコンテンツを無料で保存、コピーすることを許可しつつ、 ローカルに保存、コピーしたコンテンツを無料で見る際に、ネットワークを通じて対応する広告が自動ダウンロードされて強制的に視聴者が見る必要を生じさせるのが手っとり早い。

すなわち、(1)コンテンツローカル保存、コピーと、(2)無料視聴、(3)著作権料支払いの3者を両立させるため、コンテンツ無料ローカルダウンロード~視聴と、ローカルコンテンツ視聴時の広告自動配信~強制視聴を同時に行う専用コンテンツ再生、閲覧ソフト(専用プレーヤ) および、広告を配信する広告サーバを作成する。および、広告を呼び出すタイミングや本数などのデータを加えた、(広告強制視聴に対応した)専用のコンテンツ再生、閲覧ソフトでないとコンテンツを見られなくするコンテンツのデータフォーマットを規定するべきである。


3.1 著作権料の広告による支払い

コンテンツ対価を、直接キャッシュ(カード支払いを含む)で支払うのではなく、広告視聴で支払うようにする。広告はその都度、広告サーバから最新のものがダウンロードされるようにする。この措置により、視聴者は鮮度の古い広告を見なくて済むようにすると共に、広告主としても、視聴者が例え数年前にダウンロードされたコンテンツの視聴する場合でも、最新の広告を視聴者に見せることができる。そうすることで、著作権者としても、例え古いコンテンツからでも、最新の広告視聴がもたらす、広告料が著作権料へと転化するしくみを用いることにより、視聴者に新たに視聴される度に、常にその都度新たな著作権料を得ることができる。

コンテンツ内に、広告を呼び出すタイミング情報を書き込むようにする。タイミングはコンテンツ内の任意の位置に入れることができ、呼び出す広告の本数の情報も同時に書き込む。

コンテンツ再生、閲覧ソフト側では、ローカルにダウンロード、コピーしたコンテンツを再生、閲覧可能状態にする際に、(ビデオ、音楽なら)再生位置、(電子書籍なら)画面スクロール位置を絶えずチェックして、そこに広告呼び出しタイミング情報が書き込まれていないか調べる。そして、もし書いてあった場合は、広告サーバと交信して、そのタイミングで広告を配信する。

広告は、その時点でサーバに登録されている最新の内容のものが、視聴者の目に止まるようにすることができる。

ある広告サーバが一時的にダウンしたときは、ローカルにある広告データで代用するか、他の広告サーバを探して、そこから広告データを持ってくる。広告サーバは、いつも複数が稼働しているようにする必要がある。

また、広告サーバの移転があった場合、再生ソフト側の設定で、対応できるようにする。例えば、再生ソフトでは、広告サーバの検索エンジンと交信し、検索結果から、その時点で生きている広告サーバを順次見つけ出して、そこから広告を配信するようにする。

あるいは、視聴者が望むジャンルの広告を出すサーバが全てダウンしている時とか、見つからない場合は、緊急措置として、近そうなジャンルの広告を任意に引っ張ってくることも考えられる。


広告の出し方は、視聴者が必ず見るように、既存のテレビやラジオ広告と同じく、本編開始前~本編が佳境に入った時点で出すのを基本とする。あるいは、画面の上か下ないし、L字型にスクロール表示で、本編再生中に同時並行で、広告データを絶えず流すようにする。

視聴者の方で、再生ソフトのオプションで、見たい広告のジャンルを細かく指定する。例えば、少女アニメとかクラシック音楽とか指定する。すると、再生、閲覧ソフトの方で、ジャンルに合った広告を自動的に検索してきて、流してくれるようにする。

広告料が著作権料にスムーズに変換されるしくみは以下の通りである。1人の視聴者がローカルに保存したコンテンツAを再生している最中に、広告Bを見ると、(1)コンテンツAが見られた、(2)その広告Bが見られた、という2種類の通知が、ペアになって広告サーバに届く。広告サーバ側では、広告主が広告サーバに設定した広告Bに対応する広告料を、その都度、あるいは月末に一括して広告主の口座から引き落とし、手数料を差し引いて、コンテンツAの作成元として広告サーバに登録された著作権者に振り込む。


3.2 コンテンツのローカルダウンロード認可

コンテンツのサーバ側での消失可能性に対処するため、コンテンツをローカルにダウンロード できるようにする。

ローカルにダウンロード、コピーしたコンテンツの再生、閲覧時には、再生、閲覧ソフトが広告サーバに自動的にアクセスし、強制的に広告を視聴させる。そうすることで、著作権料を広告視聴で自動的に、著作権者に払うようにする。

ローカルにダウンロード、コピーしたコンテンツの中身を、悪意を持った視聴者が勝手に改変して、広告をスキップするようにできないようにする必要がある。そこで、広告を出すタイミングや回数に関するデータは、コンテンツの中に深く埋め込んで、広告表示に関するデータをコンテンツ内から分離して取り出して消せなくする。そうすることで、広告なしのコンテンツだけを取り出すことができないようにし、広告配信を確実なものにすることができる。


3.3 無料視聴

ローカル保存、コピーしたコンテンツ視聴時に、最新広告を配信することで、誰でも無料で、従来の広告入り民間放送を見るのと同じ感覚で、コンテンツをいくらでも見られる、いくらでも好きなだけ無料でダウンロードし、ローカルに保存できる。

コンテンツにおける広告の挿入タイミングは、コンテンツ作成元で、ある程度自由に決められるようにする。例えば、広告視聴による著作権料が沢山欲しいコンテンツ作成元は、広告挿入タイミングを沢山コンテンツ内に入れるようにすればよい。

一方、広告を見るのがイヤな視聴者が、再生ソフト上から、著作権料を直接、自動的に著作権者に振り込むことも可能とするべきである。広告中止とそれに伴う視聴者による著作権料振込は、(1)コンテンツの永久買い取り(そのコンテンツを見る際に、永久に広告が出ない)、(2)コンテンツの一時的なリース(リース期間中だけ、広告が出ない)、の2つの種類別に行う。

しくみとしては、例えば、ローカルな再生ソフト上に、クレジットカード情報を登録する。再生ソフトは、視聴者から、広告中止の要請があったら、クレジットカード情報を暗号化して広告サーバ運営会社に送る。運営会社は、カードから代金の引き落としと、著作権者への振込を順次行うようにすることで、視聴者と著作権者を媒介する役割を担う。

そのコンテンツが広告中止の対象となっているかどうかの判断・決定は、コンテンツデータが存在するローカルな再生ソフト側で行う。その際、悪意を持ったユーザに広告中止を著作権料の支払いを伴わずに勝手にやられることを防ぐため、広告中止に関するデータは暗号化したり、書式を分かりにくくしたりして、クラッキングできないようにする必要がある。

また、コンテンツが国境を超えて自由に行き来、増殖するのを容認するため、例えば北米向けのコンテンツでも、再生ソフトにおいて、居住地域を日本に、ないし、言語を日本語に指定している場合は、日本向けの(日本語の)広告が流れるようにする。この場合、日本向け広告の広告料が、そのまま著作権料に転化して、海外の著作権者にそのまま支払われるようなしくみを作ることで、言語の壁を超えて、コンテンツが流通することを可能とする必要がある。

3.4 公共コンテンツの扱い

広告主がコンテンツを自分の都合のよい内容に操作できなくして、内容面での偏りをなくす不偏不党の精神に基づく、従来の公共放送で流すようなコンテンツは、その制作に、いわゆる受信料の支払いを必須とする。

上記の無料広告モデルでは、そのままでは公共放送に対応できない。そこで、視聴者が、ローカル保存済みの公共コンテンツを再生しようとしたときに、コンテンツ再生、閲覧ソフトに、視聴者が受信料をきちんと支払っているかどうか、公共コンテンツ作成元に自動的に問い合わせ、受信料を払っているとの認証が得られたときのみ、その視聴者が自由にローカルに保存したコンテンツを、「広告なしで」再生できるしくみを作る。

こうすることで、毎月一定の受信料を支払えば、全ての公共コンテンツが見放題、好きなコンテンツを選んでダウンロードし放題、という環境を作ることが可能である。


4.利点

こうした広告配信によるコンテンツ無料視聴環境のもたらす利点について以下にまとめた。

4.1 放送を超える

現在、無料ないし定額で、決まった時刻にコンテンツの配信を受けるのが、地上波、BSの放送である。現状では、放送されたコンテンツをビデオデッキとかに録画して保存する行為は、一般に認められている。しかし、この場合、決まった時間にならないと、見たいコンテンツを見られない。また、何らかの都合でその放送を逃すと2度と見られないことが多い。

この点、インターネットを介したファイル交換や、コンテンツサーバからの自由ダウンロードでは、自分の好きなときに好きな内容のコンテンツを任意の場所からダウンロードして楽しむことが可能であり、著作権の問題さえクリアされれば、放送の持つ時間的な制約を完全に取り払う理想的な環境を実現する。

そうした意味でも、インターネットでのファイル交換と著作権者への対価支払いが両立する条件を探ることは、コンテンツ視聴者、著作者の両者にとって、ぜひともすぐにでも必要な、重大な案件であると考えられる。そうすることで、従来の放送は、ニュース速報以外の点では、ファイル交換やサーバからの自由ダウンロードに劣り、やがて衰退していくと考えられる。


4.2 映画を超える

現状では、映画館で映画を見る場合、コンテンツの中身を視聴者に見せる前に、著作権料に当たる料金を視聴者からもぎ取ってしまう。要するに、派手な宣伝によって、視聴者の間に前評判を形成し、思わず料金を支払う気にさせるのである。コンテンツを見て、視聴者がその出来のつまらなさにガッカリしても、映画業界は返金には応じようとしない。そういう点で、彼らは完全に「ぼったくり」の世界の住人なのである。しかもその料金で、コンテンツはしばしば1度しか視聴することが許されない。気に入って、もう一度見たいと思ったら、また高い料金を支払わなくてはいけないのである。

こうした映画業界の慣習は、視聴者本位のコンテンツ視聴形態のあるべき姿からかけ離れた暴挙とも呼べる不当なものであり、将来的には撤廃されるべきものである。

視聴者にとって望ましいコンテンツ視聴形態とは、コンテンツをお気に入りになるかどうか実際に視聴して十分に吟味する機会を持つことができ、そうして気に入ったコンテンツをその後も「無料で」「何度でも」「好きな時に」楽しめることである。こうした視聴形態を実現するには、今のところ、コンテンツ視聴時に広告配信を伴う(広告を見ることで料金を著作権者に支払うため、実質的に無料で楽しめる)、コンテンツデータファイルのインターネットを介した交換(好きなときに手に入れられる)とローカル保存環境(好きなときに何度でも楽しめる)が理想的であると言える。



4.3 巨大図書館としてのローカル保存コンテンツ共有・交換環境

書籍、雑誌に代表されるコンテンツを無料で視聴可能である、という点で、公共図書館の果たしている役割は大きい。ただし、現状では、コンテンツを視聴するために、わざわざ図書館のあるところまで出かけてコンテンツを借り出さなくてはいけない。また、誰か他の人がそのコンテンツを借りていると、自分はそのコンテンツを直ちに視聴することは不可能である。また、いったん借りたコンテンツはまた返さなくてはいけない。

筆者が本文で述べているインターネットを介した広告付コンテンツデータファイルダウンロード、交換~ローカル保存環境は、広く全国~全世界に「分散する」ファイル保持者一人一人の集まりによって運営される「民間の、私的な」、ディジタルコンテンツデータを扱う「電子的な」、誰でも無料でコンテンツを視聴できる「万人に開かれた」、一つの巨大な「図書館」と見なすことが可能である。しかも図書館の利点である「只でコンテンツが視聴できる」点を保ったまま、誰か他の人がコンテンツを借りているかどうかを気にしなくて済む=いつでも好きなタイミングでコンテンツを入手することができる点、および入手したコンテンツを返す必要なくそのまま永久に保持し続けることができるという点で、従来の図書館の限界を超えた使いやすいコンテンツ視聴環境であるということができる。



4.4 コンテンツ散在の利点

インターネットを介した広告付コンテンツデータファイル交換~ローカル保存環境においては、各コンテンツは、広く全国~全世界に「分散する」ファイル保持者の間に、複数分散して存在することができる。そのため、地上のある地域が自然災害によって大きなダメージを受け、その地域のファイル保持者が皆死んでしまい、ファイルが破壊されてしまった場合でも、残りの地域のファイル保持者たちの間に、同じファイルの内容が複写されて存在し続けることが可能である。これは、現在のwebベースの情報提供のように、一つのサーバからコンテンツが中央集権的に管理された形で配信され、いったんそのサーバマシンが災害発生などでクラッシュしてコケると、コンテンツはたちまち全世界的にアクセス不能となって地上から一瞬のうちに消えてしまうのとは対照的である。そういう点で、インターネットを介したファイル交換環境は、コンテンツの保全と再配布にとって、webなどよりもより理想的な形態であると言える。



5.課題

ここでは、広告配信によるコンテンツ無料視聴環境の持つ課題について述べる。


5.1 贋物コンテンツ防止の必要性

上記の、ローカルコンテンツの広告視聴による無料配信で一番問題となるのが、広告料が転じてなる著作権料が本来の著作者に行かず、なりすましの偽者のところに行ってしまう、偽装工作がなされる可能性があることである。

例えば、誰か他の人が著作権を持つ動画ファイルの内容を勝手に編集して、あたかも自分が著作権者になったふりをして、広告サーバに情報の登録を行い、自分のところに広告料が入ってくるように、動画を偽造すること(偽ファイルの生産)が横行することが考えられる。

対策としては、まず、コンテンツ著作権者が、広告サーバに、著作物のIDのようなものの発行をしてもらい、広告料振込先を登録する時に、著作権者、および振込先名義人の個人情報を、住所、電話番号、銀行口座番号、住民基本台帳番号など詳細に記入させるようにして、偽者が不正に著作権料を得ることがないように万全の対策を取ることが考えられる。

次に、オリジナルの著作権者が、そのファイルが本物であることを示す「電子透かし」情報を中に入れておき、コンテンツ視聴時に、プレーヤと広告サーバがやりとりを行って、「透かし」情報を本物かチェックする。透かしが入っていなかったり変造されている場合は、贋物であるとして、コンテンツの内容を無効にするようにする。

また、コンテンツ視聴時に、広告サーバへの著作登録ID、登録著作者名、広告料振込先名義人が、視聴者に何度でも確認可能な形で明示されるようにする。視聴者がおかしいと気づいたら、プレーヤの通報ボタンを押すと、即座に広告サーバ側でチェックが入り、その判定がクロだった場合は、警察に連絡が行くようにする。また、視聴時に、プレーヤと広告サーバがやりとりを行って、登録著作権者名、広告料振込先名義人のチェック・照合を行い、名前が偽りだったり、両者が一致しない場合は、不正な広告料吸い上げ行為であるとして、プレーヤ側で、コンテンツの内容を無効にするとともに、広告サーバ側で広告発行を阻止する。



6.まとめ

コンテンツ作成側では、ローカルに保存・複製された旧作品のコンテンツの視聴でも、広告は最新のがネットから配信されるので、新しいコンテンツ同様の収益源になりうる。 無料なので、沢山視聴者に見てもらえ、各コンテンツの普及~評判形成を促進することができる。コンテンツ作成側では、視聴者による試聴時に出す広告の、広告料の高さを決められる。

広告提供側では、常に、最新の、視聴者の好みに合った広告を視聴者に見せることができ、広告商品の売り上げアップに確実につなげることができる。

視聴者は、どんなコンテンツでも、広告を見さえすれば、無料で視聴を楽しめる。また、従来の時間決めされた放送視聴のように時間に縛られることなく、いつでもどこでも好きなコンテンツのダウンロード~視聴を楽しめる。

また、従来よくないとされてきたコンテンツのコピーによる流布も、コピーコンテンツ視聴時に広告による著作権料が著作権者に入るようになることで、正当化される。むしろ、コンテンツがコピーによって増えることで、広告による著作権料が著作権者に入る量が増えるため、コンテンツのコピーは、著作権者にとって歓迎すべき事態ということになる。また、どんなに古いコンテンツからでも、著作権者がきちんと広告サーバへの登録情報を最新のものに更新さえしておれば、広告による著作権料が著作権者に入るため、古いローカルコンテンツが「埃をかぶらず」に、著作権者にとって、いつまでも金づるとして利用できることになる。

そういう点で、「コンテンツ作成者=著作権者」と「広告主」、「視聴者」の3者間で、「win-win-win」の関係が成り立つ。すなわち、ローカル保存、コピーコンテンツ視聴時に、広告サーバから最新広告を配信し、その広告料を著作権者に回すというしくみは、各立場の人々それぞれが利益を得ることができ、その点、ビジネスとして立派に成立すると言える。

このビジネスを成立させるためには、広告主と著作権者を媒介する広告サーバ運営会社の働きが重要となる。そのためのノウハウをためることが、今後の視聴者にとっての「無料」コンテンツビジネスを成功に導く上で、大きな鍵となるであろう。


(c)2003 大塚いわお

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