日本社会の後進性について

(c)2005.8 大塚いわお


[要約]

日本社会は、欧米に比べて、科学技術の進歩が必ず一歩遅れる、「後進型社会」である。トランジスタにしろ、インターネットにしろ、世界の科学技術に大きな革新をもたらした発見、発明は、ほとんど全て欧米からもたらされたものであり、日本社会からは余り出ていないのが現状である。日本社会が後進型社会になってしまうのは、社会で女性の力が強いため、安全第一で未踏分野に足を踏み入れるのを恐れるのと、定住農耕を主とするウェットな社会であるため、今いるところから踏み出そうとしないためと言える。


日本社会は、欧米に比べて、科学技術の進歩が必ず一歩遅れる、「後進型社会」である。
トランジスタにしろ、インターネットにしろ、世界の科学技術に大きな革新をもたらした発見、発明は、ほとんど全て欧米からもたらされたものであり、日本社会からは(皆無ではないが)余り出ていないのが現状である。

また、ノーベル化学賞の田中耕一氏の例のように、例え、発見、発明が日本社会から出たとしても、日本国内では当初全く評価されず、欧米社会に知られて高く評価されたのを知って、初めて日本国内でもあわてて評価し出すという現象が繰り返し起こっている。

日本社会には、科学者に新規の発明、発見を行うように動機づけたり、新規の発明、発見を評価するしくみが備わっていないのではないかと考えられる。

こうなるのは、日本社会が、前例やしきたり、慣例といったものを重んじ、新規の発明、発見を、既存の社会のあり方を変えてしまう可能性を持つものとして恐れる考え方が根底に横たわっているためと考えられる。そのため、日本社会は恒常的に「後進的」なのである。

では、なぜ、日本社会は、万年後進国となっているのであろうか?

一つ目は、日本社会で、女性の勢力が大きいことがあげられる。こういうことを言うと、日本では、女性は弱者として差別されているではないかという意見が出てくるが、実際のところ、日本社会の中で、母親、姑の立場に立つ女性に比肩しうる勢力を持つ存在は見られないのが実情である。

女性は、その行動が、自分の保身や安全を第一に考え、未知のものに対して恐怖心が強く、どんな危険が待っているか分からない、何が起こるか分からない未踏分野に手を出そうとしない。

女性が強い社会では、女性的な考え方が社会全体に行き渡り、皆が未踏分野への進出を避けようとする。その間に、男性の勢力が強い、未知の分野が持つ危険をものともせずに、どんどん進出していくタイプの社会=「先進型社会」に、目ぼしい成果を皆持って行かれてしまう。

二つ目は、日本社会が、一カ所に定着して動かない農耕を主とするウェットな社会であることがあげられる。農耕社会では、物の考え方が、今いるところに定着し続けようとして、新規の場所へと出て行こうとしないものとなりがちである。農耕を主とするため、その他の工業などの分野においても、とかく物の考え方に流動性が欠けがちである。そのため、流動性の高い遊牧・牧畜を主とするドライな社会に比べて、新規分野への参入が遅れてしまう。

以上から、日本社会が後進型社会になってしまうのは、社会で女性の力が強いのと、農耕を主とするウェットな社会であるためと言える。

日本社会から目ぼしい発見、発明がなかなか出ないのは、教育が前例暗記型の受験勉強に偏っているからという意見もあるが、それ自体が原因なのではなく、物の考え方が、前例偏重、微細な重箱の隅をつつくような暗記偏重になるのが、社会が女性的、ウェットであるという根本的な原因に目を向ける必要があるのではないか?


2005.8 大塚いわお

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